小惑星リュウグウに巨大な未知の有機物…「はやぶさ2」試料、複雑な構造確認
日本の探査機「はやぶさ2」が持ち帰った小惑星リュウグウの試料から、巨大な未知の有機物が多数見つかったと、東京大などの研究チームが発表した。
どのようにしてできたかは謎だが、宇宙には生命の材料になり得る複雑な分子が広く存在することを示唆する成果だ。論文が科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された。
チームは、原子レベルまで観察できる「原子間力顕微鏡」を地球外の試料に初めて使い、リュウグウの試料を観察した。すると、炭素原子が環状につながった分子からなる有機物が22種見つかった。最も大きなものではこの環が100個超連なり、分子量は3000以上と推定した。
多くが未知の物質という。中には、炭素原子60個でできたサッカーボール状の分子「フラーレン」と一部の構造が似たものもあった。
生命の材料は宇宙から飛来したとの説があり、リュウグウを含む小惑星の試料からはすでにアミノ酸や糖、DNAを構成する「塩基」などが見つかっている。ただ分子量は100前後〜数百のものが多い。
チームの杉本宜昭・同大教授(顕微鏡学)は「今回見つかった分子が直接的に生命の材料になるとは考えにくいものの、触媒のように他の物質を作る助けとなる可能性もある」と話す。
小林憲正・横浜国立大名誉教授(宇宙生物学)の話「これまで試料の量がある程度ないと詳しい構造は分析できなかったが、分子一つひとつを直接観察した興味深い研究だ。宇宙では想像以上に複雑な分子が作られることを示している」
