逮捕翌日もヘラヘラ笑みを浮かべ…海外逃亡の殺人容疑者を7年越しの逮捕 男が余裕を見せているワケ
終始、ヘラヘラと薄ら笑いを浮かべ
「帰れ! 帰れ! お前ら。もういいだろそろそろ」
そう叫びながら、複数の警察官に囲まれて成田空港のターミナルを歩く男のニュース映像は、日本中に大きな衝撃を与えた。男は高橋伸明容疑者(47)。4月25日、殺人容疑で、逃亡していたマレーシアから移送される航空機内で逮捕状が執行された。
翌26日午前10時、高橋容疑者は検察へ身柄を送るために警視庁麻布署から出てきた車両に乗せられていた。何がおかしいのか、終始、ヘラヘラと不気味な薄ら笑いを浮かべており、不遜な態度は前日と変わらなかった──。
「警視庁によると、高橋容疑者は、’18年10月、自身が住んでいた東京・六本木(港区)のマンションの一室で、当時交際していたとみられるバレツタ久美さん(当時29)の頭を複数回、鉄アレイのようなもので殴り、殺害した疑いが持たれています。事件が発覚したのは、それから約1週間後で、バレツタさんと連絡が取れないと麻布署に母親から連絡があり、職員が高橋容疑者の自宅を調べたところ、シーツに包まれた状態で亡くなっていたバレツタさんが発見されました」(全国紙社会部記者)
しかし、高橋容疑者はその数日前にマレーシアに出国。’19年に殺人容疑で逮捕状が発行され、国際指名手配もされていた。
高橋容疑者は、中国残留日本人を中心に構成され、いわゆる“半グレ”と呼ばれる準暴力団「チャイニーズドラゴン」の構成員といわれている。
「彼は、構成員約900人といわれる巨大組織の中で、かなり上層部のメンバーのようです。事件当時、六本木のビリヤードバーなど、複数を切り盛りする経営者で、コカインや大麻の売買にも手を染めていたと聞いています。組織の中でも武闘派で、すぐに手が出ることで知られていました」(前出・全国紙記者)
高橋容疑者は’14年にも殺人未遂容疑で逮捕されている。同年5月に六本木で、一緒に酒を飲んでいたガーナ人男性の背中を刃物のようなもので刺すなどした。このときも、タイに逃亡していたが、同年12月にバンコクで、不法残留の疑いで現地警察に身柄を拘束され、送還されている。
鍵は本当に殺意があったのかどうか
「捜査関係者によると、今回の事件の3ヵ月前にも、高橋容疑者はバレツタさんにケガを負わせた容疑で逮捕されています。しかし、その後、被害届が取り下げられ、起訴猶予処分になっていました」(前出・全国紙記者)
殺人未遂の前科があり、海外逃亡の過去もある男が、どうしてこうもやすやすと海外に逃げおおせることができ、7年半もの間、捕まらずにいられたのだろう。犯罪ジャーナリストの小川泰平氏に話を聞いた。
「『チャイニーズドラゴン』は、準暴力団ですが、実態がまだ完全に把握できてはいません。神出鬼没で、国内だけでなくアジア各国に拠点があります。だから、彼くらいのレベルになると、組織が逃亡を手助けし、マレーシアに滞在、生活できるサポートをすることは容易だと思います。ただ、高橋容疑者は、国際指名手配をされていたので、警視庁はマレーシア当局と早い段階から捜査協力していたでしょう。とはいえ、今回は、違法薬物所持の疑いで身柄を拘束されたから良かったようなものの、それがなければ、まだ逃亡していた可能性は高いと思います」
殺人を犯して、7年半もの逃亡の末、逮捕された高橋容疑者。遺族は極刑を求めているという報道もある。
「殺人に至る経緯ですよね。本当に殺意があったかどうか。そういうところが証明できれば、無期刑もあり得ると思いますが、彼は’14年に逮捕された時も、何も喋らなかった過去があります。今回もおそらく何も話さないのでは。話さなければ大丈夫だと思っているのでしょう。今後の捜査で、これまで出ていなかった事実が出てくるのか。そこが重要になってくると思います」
高橋容疑者は、調べに対し、「今は何も話すことはない」と供述し、容疑を否認しているという。事件の真相究明が待たれる。

