生理が終わったあとの「謎の出血」に注意。更年期の“不正出血やおりもの”で気にしたいこと:産婦人科医が説明
更年期に差しかかると体の不調が増えがちに。いくつもの不調が重なってくると、「自分の体になにが起きているの?」と不安になるのは当然のこと。ここでは「生理後の不正出血や、おりものの悩み」について専門医が回答。産婦人科医の高尾美穂先生に教えてもらいました。
※ この記事は『高尾美穂のオトナ世代のこころとからだ相談室』(扶桑社刊)より一部抜粋、再構成の上作成しております。

Q:生理後に不正出血が。病院に行くべきか悩みます

最初の質問は、生理が終わったあとに起こる「不正出血」について。
「ここ1年、生理が終わった数日後に出血があり不安です。以前は不順だった生理も最近は安定しているし、出血は多くなく、また自覚症状もないので病院に行っていませんが、受診すべきですか?」(50歳)
A:年齢的にもがんの心配が。不正出血は自己判断せず病院へ
不正出血とは“生理ではない出血”のことです。時折、生理と生理の間の排卵期に「中間出血(排卵期出血)」と呼ばれる大きな問題とならない不正出血が見られることもありますが、お話だけで簡単に判断できるものでもありません。
ただでさえ更年期は女性ホルモンのバランスが不安定で、生理周期が乱れがちです。そのため、今の出血が生理なのか、病気による不正出血なのか判断がつきにくくなります。
●不正出血は「病気のサイン」と捉えよう
不正出血は病気のサインだと捉えることが望ましいです。とくに気にしていただきたいのは、「子宮頸がん」と「子宮体がん」です。前者の子宮頸がんは、子宮入り口の子宮頸部にできるがんのこと。一方、後者の子宮体がんは子宮内膜にできるがんです。
子宮頸がんは、若い世代にも発症するがんですが、ピークは更年期世代です。ただ、子宮頸がんはがんになる前の「子宮頸部異形成」という状態で発見できるため、もし相談者さんが定期的に婦人科検診を受けていて問題がなければ、とくに心配はいらないでしょう。
一方で、心配なのが閉経前後あたりに罹患率のピークを迎える子宮体がんです。相談者さんの年齢から考えれば、子宮体がんによる出血の可能性は否定しておきたいもの。不正出血は代表的な初期症状ですから、閉経が迫った更年期世代は不正出血を放置しないことが肝心です。
なお、子宮体がんのリスク因子は、肥満/高血圧/糖尿病/妊娠・出産経験が少ない/出産経験がない/生理不順などです。検査は痛みを伴うことがあるため躊躇する人も多いですが、子宮体がんは早めに気づくことができれば命を失わずにすむがんです。ぜひ、迷わずに婦人科を受診してください。
Q:最近おりものが増えて不快。閉経後も続くの?

続いては、おりものに関するお悩みです。
「生理の1週間後、透明のドロッとした「おりもの」が増えます。おりものシートを使用していますが、多い日は1日に2〜3回替えるほど。蒸れた感じが不快です…。閉経後もずっと続くのですか?」(51歳)
A:おりものは色やにおいをチェック。異変があったら注意して
「おりもの」とは、子宮や腟、汗腺などから出てくる少し粘度のある液体のことです。腟内の雑菌が体内に侵入するのを防ぐなど、優れた自浄作用があります。ただ、このおりもの、医師からしても説明が難しい存在。私たちの汗が日によってサラサラしたりベトベトしたりするように、おりものの量や状態も、年齢や生理周期、ホルモンバランス、体調によって変化するためです。
とくに更年期は女性ホルモンがアップダウンする影響を受けて、おりものにも変化が見られます。おそらく相談者さんは女性ホルモンのゆらぎにより、一時的におりものが増えたのでしょう。もちろんこれにも個人差があり、増える方もいれば、逆に減る方もいます。また、性交渉後は腟の自浄作用が働くことで、一時的に増えるケースも珍しくありません。
●おりものの色やにおいに注意
注意したいのは、色やにおいの変化です。通常のおりものは、透明〜乳白色で、ヨーグルトのような少しすっぱいにおいがしますが、これとはあきらかに異なった状態なら要注意。細菌やカンジダが増えているケースや、性感染症の可能性があります(かゆみを伴う場合もあります)。
また、更年期あたりから比較的よく見られて心配されるのが、ピンクや茶色のおりものです。これはおりものに混じった不正出血の場合もあります。生理後でもないのに1週間以上続くのであれば病気の可能性もあるので、一度婦人科の受診をおすすめします。
なお、おりものは排卵時に若干増えますが、排卵自体がなくなる更年期以降は量が減ってくるのが一般的です。もし60代以降でおりものが増えた場合は「卵管がん」の疑いも。ただ非常にまれながんですので、定期的にエコー検査をしていれば、過度に心配する必要はありません。
