ルメール騎手 
写真/橋本健

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 19日に中山競馬場で開催される皐月賞。今年は近年まれに見る大混戦の様相を呈している。
 フルゲート18頭のうち半数の9頭が重賞ウイナーで、2歳G1を制したカヴァレリッツォとロブチェンも参戦を予定。しかし無敗馬は皆無だ。展開次第で、どの馬が勝ってもおかしくない実力伯仲の一戦となるだろう。

◆重賞馬9頭が集結した“近年まれに見る大混戦”の構図

 予想は難解を極めるが、困ったときは“とりあえず外国人ジョッキーを買っておけばいい”という考えもあるだろう。

 実際に皐月賞は外国人騎手の活躍が目立つレースで、これまでM.デムーロ騎手が最多4勝を挙げているほか、C.ルメール騎手も1勝している。

 昨年は短期免許で来日したJ.モレイラ騎手が2番人気のミュージアムマイルに騎乗し、大本命のクロワデュノールを撃破。モレイラ騎手は2年前にも7番人気の伏兵コスモキュランダを2着に導いている。

 今年の皐月賞にモレイラ騎手は不在だが、オーストラリアの名手、D.レーン騎手が短期免許で来日する。しかも大一番でコンビを組むのは、昨年の朝日杯FSを制したカヴァレリッツォ。鞍上の存在も手伝って、このコンビを本命に推すファンも少なくないはずだ。

◆モレイラとレーンを“同一視”していいのか?

 ファンの間では、モレイラ騎手と同じく、レーン騎手も“乗れる外国人ジョッキー”という評価を受けている。ここは黙って買いが正解かもしれないが、そう簡単にモレイラ騎手とレーン騎手を一緒くたにすべきではない。

 マジックマンの異名を持つモレイラ騎手は、2014年の初来日からJRA通算227勝を挙げている。2019年が初来日のレーン騎手も同186勝を挙げており、どちらも“超優良助っ人”として、その騎乗技術は折り紙付きだ。

 JRAでのG1勝ち鞍を比べると、レーン騎手が6勝、モレイラ騎手は5勝。レーン騎手が上回っているが、JRA通算の勝率や連対率などは「モレイラ>レーン」という傾向が出ている。

【J.モレイラ vs. D.レーン JRA通算成績】
J.モレイラ:227-140-81-310/758 (29.9%/48.4%/59.1%)
D.レーン:186-113-99-396/794 (23.4%/37.7%/50.1%)
※()内は左から勝率/連対率/複勝率

 さらに昨年以降のG1だけに絞ると、レーン騎手は来日してすぐの天皇賞・春を1番人気のヘデントールで制したものの、その後は【0-0-0-10】とサッパリだった。人気馬に騎乗する機会が限られていた部分もあったとはいえ、G1ではやや精彩を欠く騎乗も目立っていた。

 一方のモレイラ騎手は、昨年春のG1シリーズで固め打ちを見せるなど、年間を通じて5戦3勝。乗れる外国人ジョッキーとして、両者を“同等”に見る向きもあるが、2人の間には小さくない差がある。

 さらにレーン騎手は地元オーストラリアでもここ数年の成績が下降気味だ。2023年からの年ごとの勝率を見ると、21%→19%→18%→16%と、4年間で5ポイントも下げている。

 つまりレーン騎手には以前ほどの信頼感がないともいえるだろう。外国人ジョッキーだからと、安易にカヴァレリッツォの評価を上げるのは早計だ。

◆ルメール騎手は連敗とパートナー不安で評価が揺らぐ

 では、皐月賞に参戦するもう一人の外国人ジョッキー、C.ルメール騎手はどうか。ルメール騎手は10年以上も前にJRAの通年免許を取得しており、日本人ジョッキーとして扱うべきかもしれないが、やはりG1では驚異的なパフォーマンスを発揮し続けている。

 今年は全国リーディング首位を独走しているだけでなく、フェブラリーS、高松宮記念とG1を連勝。大レースで勝負強さを見せつけた。

 ところが、その後の大阪杯と桜花賞は見せ場なく連敗を喫し、その勢いはやや影を潜めている。そして、皐月賞でコンビを組む肝心のパントルナイーフも中間に一頓挫あったため、やや評価を下げているのが現状だ。