トランプ大統領(右)とメラニア夫人(時事通信フォト)

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 イランへの軍事攻撃と泥沼化する停戦協議で、世界情勢をますます混沌とさせているトランプ大統領。各国首脳やローマ教皇など多方面から厳しい批判を浴びるなか、米国内では別のスキャンダルへの対応に追われている。発端は妻・メラニア氏の異例の立ち回りだ。大手紙デスクが解説する。

【写真】米富豪ジェフリー・エプスタイン元被告

「未成年への性的人身売買事件で起訴され、自殺した富豪ジェフリー・エプスタイン氏との関係を否定する声明をメラニア夫人が突如発表しました。エプスタイン氏の元交際相手で共犯者の女とのメールのやり取りが公開され、親密な関係だったと疑われているなか、ホワイトハウスにメディアを集めて『一切関係がない』と完全否定したのです」

 エプスタイン氏の事件を巡る一連の資料には、チャールズ英国王の弟アンドルー元王子や実業家のイーロン・マスク氏、ビル・クリントン元米大統領など各界の著名人の名が登場。トランプ氏は当初、関連資料を公開する意向を示していたが、自らが関与した疑いが浮上すると一転、公開に消極的になった。メラニア夫人への疑惑は、トランプ氏が距離を置きたかった問題を再燃させている。

 そうしたなか、「ホワイトハウスがメラニア夫人を介して、世論操作を図ったのではないか」と見るのが、国際ジャーナリストの山田敏弘氏だ。

「メラニア夫人の声明発表について、トランプ大統領は『知らされてなかった』と述べ、一部の報道でも"メラニア夫人が勝手に声明を出した"と伝えられていますが、トランプ氏やホワイトハウスが全く知らないはずがない。むしろ、マスコミを通じた世論操作、スピンコントロールの可能性があります」

 その意図について、山田氏はこう続ける。

「スピンコントロールが成功したか否かは現段階では分かりませんが、こういう意図だったのではないか。トランプ氏はイラン問題で支持率が下がり、11月には選挙があるので、早くこの問題の収束を図りたい。しかし、事態は収まらずに議会での証人喚問が求められる可能性すら浮上している。

 そうした背景のなか、トランプ氏本人ではなく、メラニア夫人が関係を否定。加えて、エプスタイン氏の被害者に寄り添う姿勢を示しました。今後予定される被害者の公聴会などで、加害者側の関係者としてではなく、被害者に寄り添う立場だという印象を世間に与えたいのでしょう」(同前)

 企てはうまくいくのか。

※週刊ポスト2026年5月1日号