ピラミッドの大きさに隠された秘密! クフ王が築いた“絶対王権”の象徴【眠れなくなるほど面白い 図解 古代エジプトの話】

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【古王国時代】ピラミッドの規模=王権の強さ

クフ王のピラミッドが絶頂期を示す

ピラミッドの規模は王権の強さを表すとされ、クフ王、カフラー王、メンカウラー王のピラミッドは「三大ピラミッド」と呼ばれます。なかでも「大ピラミッド」で知られるクフ王の時代は王権が絶頂期でした。クフ王は、銅やトルコ石などの資源獲得のためにシナイ半島の鉱山へ遠征隊を派遣し、貴重な木材のレバノン杉を獲得するために、レバノンの首都ビブロスと交易関係を築きました。紅海沿岸のワディ・アル=ジャルフでは、当時の港湾施設の遺跡が発見されています。

注目すべきは、大ピラミッドの建設に関わった監督官メレルの日誌です。驚くべきことに、この日誌にはピラミッド建設のための石材の運搬など、日々の作業が記されていました。王の権威は頂点に達し、大ピラミッドを囲んで整然と並ぶ高官や貴族たちの長方形の墓(マスタバ墓群)が、それを物語っています。

クフ王の息子のカフラー王は、初めて先王の隣にピラミッドを建設しました。父の隣に建設して正統性を示そうとしたとみられています。

カフラー王の息子メンカウラー王については、史料はほとんどありません。ヘロドトスによると、神託によって余命6年と告げられたので、毎日宴会をしていたとされています。メンカウラー王のピラミッドの規模が小さいことからみても、この頃には王権は弱くなっていたとみられます。

「大スフィンクス」も王権の象徴

長さ73.5m、高さ20m、幅19mの巨大さ/カフラー王のピラミッドと大スフィンクス

王権の弱体化にともなってピラミッドも小規模に

● クフ王の大ピラミッド:高さ約147m
● カフラー王のピラミッド:高さ約136m
● メンカウラー王のピラミッド:高さ約65m
 だんだん小さくなっていく…

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 古代エジプトの話』著:河合 望(エジプト学者・考古学者/筑波大学人文社会系教授)