なぜ隣に停める? 駐車場の「トナラー」、気になる心理と有効な自衛策とは
なぜ不快に? 隣に停められる側の心理
広大な駐車場で、周囲に多くの空きスペースがあるにも関わらず、なぜか自分の車の隣に停めてくるドライバーがいます。
この「トナラー」と呼ばれる行為は、SNSなどでもたびたび話題となり、多くの運転者が一度は経験したことのある現象かもしれません。
【画像】「えっ…」 これがトナラーを防ぐ「方法」です! 画像で見る(28枚)
なぜ彼らはあえて隣を選ぶのでしょうか。そこには様々な心理が隠されていました。過去に取材した内容もふまえて掘り下げていきます。

広い駐車場で隣に車が来ると、少なからず圧迫感を覚えたり、なぜわざわざここに、と疑問に感じたりする人は少なくありません。
その不快感の根底には、具体的なリスクへの懸念が存在します。
最も多くの人が挙げるのは、ドアを隣の車にぶつけてしまう、いわゆる「ドアパンチ」の危険性です。
自分の車が被害に遭うかもしれないという不安は、決して気分の良いものではありません。
特に、傷やへこみが多い車両が隣に来ると、より一層その不安が募るという声も聞かれます。
また、実用的な問題として、乗り降りのしづらさや、荷物の積み下ろしの不便さを指摘する意見もあります。
多くの買い物をした後など、ドアを大きく開けたい場面で隣に車があると、非常に気を使うことになります。
さらに、特に珍しい車種やスポーツカーのオーナーからは、別の悩みも聞こえてきます。
仲間意識からか、同じ車種や憧れの対象として隣に停められ、時には無断で写真を撮られたり、オーナーが戻るのを待たれたりすることもあるといい、プライバシーの面で困惑するケースもあるようです。
隣を選ぶのはなぜ? 「トナラー」側の多様な事情
一方で、隣に停める側には、必ずしも悪意があるわけではないようです。
そこには、運転技術や心理状態に根差した、さまざまな理由が存在します。
最も多く指摘されるのが、駐車のしやすさです。
特に運転に不慣れなドライバーにとって、がらんとした広い空間に引かれた白線だけを頼りに真っ直ぐ停めるのは、意外と難しいものです。
そのような時、すでに停まっている車は格好の「目標物」となり、それを基準にすることで車両の距離感が掴みやすくなります。
自動車教習所でポールを目印に駐車の練習をすることから、その感覚で隣の車を頼りにする人も少なくないようです。
また、広大な駐車場で自分の車の位置を見失わないように、という目的もあります。
特徴的な車や目立つ色の車の隣に停めることで、後で自分の車を探す際の目印にしているというわけです。

仲間意識も大きな動機の一つです。
自分と同じ車種や珍しい車、憧れの車を見つけた際に、嬉しさから隣に並べて写真を撮りたい、という心理が働くことがあります。
本人にとっては好意的な行動のつもりでも、相手に不安を与えている可能性には思いが至らないのかもしれません。
その他にも、「いつも停める場所だから」といった習慣や、「ぽつんと一台でいるより、隣に誰かいる方が安心する」といった無意識の心理が働くこともあるようです。
もちろん、「特に何も考えていない」「たまたま空いていたのがそこだった」という、意図しないケースも多いでしょう。
このトナラー問題は、法令で規制される行為ではありません。
駐車場の区画内に正しく停めている以上、どこに駐車するかはドライバーの自由です。
そのため、「隣に停めたくらいで騒ぐのは心が狭い」「名称までつけて問題視するのはおかしい」といった、気にする側を批判する声も存在します。
今日からできる「トナラー」への自衛策
では、どうしても隣に駐車されることを避けたい場合、どのような対策が有効なのでしょうか。
最も確実なのは、物理的に隣に停められない場所を選ぶことです。
例えば、駐車場の最も端にある「角」のスペースや、柱・壁に隣接した区画であれば、少なくとも片側からのトナラーを防ぐことができます。
もし「1台専用」と明記されたスペースがあれば、それが最良の選択肢となるでしょう。
また、建物の出入口からあえて遠く離れた場所に停めるのも一つの手です。
多くの人は利便性を求めて入口近くに停めたがるため、遠い場所は敬遠されがち。
ただし、自分自身も多く歩く必要がある点は考慮しなければなりません。

「ドライブレコーダー作動中」といったステッカーを貼ることで、心理的な牽制を狙う方法も考えられますが、相手が駐車する際にはステッカーに気づかない可能性もあります。
トナラーという現象は、駐車という日常的な行為の中に潜む、ドライバー間の心理的なすれ違いの表れと言えます。
お互いの事情や心理を少しでも理解することで、より快適なカーライフにつながるのかもしれません。
