─ なかなか自由にできない状態になっていたと。

 大池 そうです。地方にはありがちですが、しがらみがあって、間に何人もよくわからない人が入ってくる。例えば広告にしても、私からすればSNSを活用すれば若者に見てもらえると考えるわけですが、地元の人たちは商業施設の中の看板やチラシを刷って、業者に利益を落としたいので、そこに1000万円かけるという話になる。

 こうしたしがらみもあって、失敗した企画もありました。この経験から、自分自身がまず力を付けなければいけないということを痛感しました。会社として誰もが認める地位を築けば、資金、人材を獲得でき、スピード感を持つこともできます。


「AIのテーマパーク」で人、情報を集める


 ─ テーマパークは大池さんの中で大きなテーマですね。

 大池 ええ。今の事業に関連して言うと、世界初の「AIのテーマパーク」を企画したいとも考えています。

 当社はAIを学ぶコミュニティを運営しています。全国民がAIを学び、業務効率化、さらには年収アップにつながるスキルを身に付けていただきたいという思いで展開しています。

 日本は米国や、海外の他国と比較しても圧倒的にAIの普及率が低いのが現状です。米国のテクノロジー企業が様々なツールを出しており、私もいくつか使っているのですが、使い方が難しいものが多いなと感じます。AIを仕事にしている私ですら、面倒だなと感じるほどです。

 つまり、テクノロジー企業は機能や技術でアピールしており、確かに数%ほどの優秀層は使うわけですが、90%以上の一般の人たちはなかなか使わない。ただ、実際の普及は、その大多数の人たちが使うことです。

 ─ 一般層が使うにはハードルがあると。

 大池 そうです。AIというワードは知っているけれども、難しいし、よくわからないという印象を持たれていて、普及していないんです。

 そこで、まずはエンターテインメント要素で、楽しみながらAIに入ってもらうことが大事だと考えています。それが私がAIのテーマパークをつくろうと考えた理由です。

 そこにご家族連れ、ご高齢者の方々にも来てもらい、AIのツールを楽しく体験してもらいます。そうして、実際に何かをつくることができれば、お子さんなども楽しいと思うんです。そうした体験を通じて、AIの便利さを実感することで、普段の生活が変わったり、業務が効率化されるというイメージが湧くと思います。それが結果として、我々のコミュニティに通ってもらうことにつながります。

 こうした場の重要性を示す事例があります。IT黎明期の1994年から95年にかけて、当時ソフトバンクの孫正義さんは、約1000億円を投じて、米国のコンピューター展示会「コムデックス」と「インターロップ」を買収しました。展示会はユーザーのみならず、業界各社のトップが一堂に会する場であり、孫さんは、そこで得られる出会い、情報を重要視していたようです。

 ですから、私が展開するAIのテーマパークも、ユーザーの体験と展示会のハイブリッドだと考えています。世界最先端のAIサービスを展示し、皆さんに触れてもらうと同時に、世界から業界のトップや、メディアが訪れる場所にしたいんです。 ビジネスとしても土日はテーマパークにして平日は企業の研修センターとして貸し出せばビジネスとしても成り立ちます。