川崎のキャプテンを担う脇坂。今季もチームを引っ張る。(C)Getty Images

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 規模が数倍以上に膨れ上がったクラブワールドカップ。その世界大会へ通じるのがACLエリート(ACLE)だ。フォーマットが新しくなったその第1回大会で決勝進出を果たした川崎フロンターレの戦いぶりを改めて振り返るとともに、長谷部茂利新体制で戦う今季のチームの状況をキャプテンの脇坂泰斗に語ってもらう。
(第2回/全3回)

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 公式戦で4勝1分と好スタートを切った川崎だったが、4節の京都戦で今季初黒星(●0−1)を喫すると、8勝2敗(リーグステージ)で勝ち上がったACLEのラウンド16・第1戦、アウェーの上海申花戦も得点が認められないアクシデントもあり、オウンゴールで0−1の敗戦。ホームで迎える第2戦での逆転が求められた。

 脇坂の頭にはかつての悔しき記憶が蘇っていたという。
「第1戦での僕のゴールは今でもオフサイドでなかったと思っています。でも、シゲさん(長谷部茂利監督)はアウェーでの0−1の敗戦を『ビハインドの中では、最高のビハインドだ』って話してくれました。その後、ホームでの第2戦へ1週間の準備期間があったのですが、怖かったですね。チームも張り詰めて取り組んでいました。

 ここで勝つか負けるかで、(準々決勝以降は集中開催される)サウジへ行けるかどうかが決まる。なんだか前年の山東泰山戦の記憶がよぎり、嫌なイメージが沸いちゃったんです(前回大会の山東泰山とのラウンド16はアウェーの第1戦は3−2で勝利するも、ホームでの第2戦で2−4で敗れまさかの敗退に)。

 あの時もホームで25分までに2失点するなど入りが良くなかった。だから今回、試合が始まる前や、円陣などで『まずは1点を取ってスコアをタイにしよう』って強調していました。

 その分(24分の佐々木)旭のゴールで楽になり、それ以外でも相手に圧をかけながら攻めることができました。相手の10番(ジョアン・カルロス・)テイシェイラを警戒しながらオーガナイズして戦うこともできた。やりながら自信を得られましたし、(64分の)エリソンのゴールで突き放せた時はめちゃくちゃ嬉しかったですね(結果的に4−0で勝利)」
 ACLEで順調に準々決勝まで勝ち上がった川崎だが、その先の戦いを含め、今季光ったのは脇坂の言葉にも何度も出てきた組織的な守備であった。

 チームとして時間の経過とともに、ボールを握る時間も増えていっているが、これまで攻撃面に特色のあったチームとして、根本的な疑問として、守備を強化した今季の戦い方に対してアレルギー反応や葛藤はなかったのか。もっとも、そこは鬼木達監督の下で築き上げた昨季までのスタイルを尊重しながら、常に理路騒然と状況を整理する脇坂らしい答えだった。

「それまでのスタイルを大事にしながら(アレルギー反応などは)なかったと思いますね。やっぱり昨年の悔しさから、誰もが失点を減らす必要があると考えていたはずですし、シゲさん(長谷部監督)は最初のミーティングで、得点や失点に関するデータをバーッと出してくれて、昨年はリーグ2位だった得点数を1位にするためにバリエーションを増やすこと、クロスからの失点、セットプレーからの失点を減らすことなど、改善点を分かりやすく挙げてくれました。

 試合に勝つためのアプローチとして、こう勝ちたいという理想をまず掲げながら、こうしたら絶対に負けないという方法は間違いなくあります。そこを意識してシーズンに臨めたので、難しい試合でも勝点を拾うことができました。一方でリーグを制するためには、勝ち切る力がもっと必要だと思います。

 時間で攻守が変わるスポーツであれば良いんですよ。でもサッカーはそうじゃない。守備の時間を短くすれば攻撃に移れますし、勝つためにはボールを奪わないと、ゴールを守らないといけない。そこで攻撃ばかりしたいとは言っていられません。