2段階で爆発した「Ia型超新星」の観測的証拠を初めて発見

写真拡大 (全2枚)

白色矮星が関わるタイプの超新星「Ia型超新星」について、2段階で爆発が生じた証拠を初めて発見したとする研究成果を、オーストラリアの博士課程学生らのチームが発表しました。


研究チームは、ESO=ヨーロッパ南天天文台の「VLT(超大型望遠鏡)」を使って、大マゼラン雲の超新星残骸「SNR 0509-67.5」を観測。


データを分析した結果、残骸を構成するカルシウムの層が二重になっていることを発見しました。


白色矮星を包むヘリウムの層で1回目の爆発が発生した後、周囲だけでなく内部にも伝わった衝撃波によって星の中心部で2回目の爆発が引き起こされる、「ダブルデトネーション(double-detonation ※)」と呼ばれるプロセスによって超新星爆発に至ったと考えられています。


※…二重爆轟波、二重デトネーションとも。


【▲ VLTが観測した超新星残骸「SNR 0509-67.5」。青色で示されたカルシウムの層が2重になっていることが今回の研究で明らかにされた(Credit: ESO/P. Das et al. Background stars (Hubble): K. Noll et al.)】

Ia型超新星をより深く理解する助けになると期待

Ia型超新星は、連星をなす白色矮星に伴星から流れ出たガスが降り積もったり、白色矮星どうしが合体したりすることで、白色矮星の質量が太陽の約1.4倍に達した時に発生すると考えられてきました。この質量は「チャンドラセカール限界」と呼ばれています。


真の明るさがほぼ一定であり、観測された見かけの明るさと比較することで地球からの距離を割り出せるとして、Ia型超新星宇宙での距離測定に役立つ標準光源のひとつとして利用されています。


一方、ダブルデトネーションは、白色矮星の質量がチャンドラセカール限界に達していなくても発生する可能性があるといいます。


今回の発見は、ダブルデトネーションが実際に発生し得ることを示す強力な証拠であり、Ia型超新星の性質を理解する助けになるとして注目されています。


 


文/ソラノサキ 編集/sorae編集部


関連記事観測史上最遠のIa型超新星「SN 2023adsy」が標準光源の性質を持つと判明(2024年6月29日)ハッブル定数の謎を解くかもしれない “希望” のIa型超新星「SN H0pe」を観測(2023年10月9日)Ia型超新星からの電波を初めて検出 爆発メカニズムの解明に期待(2023年5月22日)参考文献・出典ESO - Double detonation: new image shows remains of star destroyed by pair of explosionsDas et al. - Calcium in a supernova remnant as a fingerprint of a sub-Chandrasekhar-mass explosion (Nature Astronomy)