[6.10 W杯最終予選 日本 6-0 インドネシア パナスタ]

 最後の最後まで鬼気迫るパフォーマンスだった。日本代表MF佐野海舟(マインツ)はオーストラリア戦(●0-1)に続き、インドネシア戦でも先発出場。森保一監督の期待を感じさせる起用に応え、攻守にわたる奮闘でW杯メンバーへの生き残りをアピールした。

 まず際立ったのは攻撃面の働きだった。最終予選初黒星を喫したオーストラリア戦では崩しの局面に課題が残り、「もうちょっと前に出る動きをやっていれば良かった」と話していた佐野。この日はその言葉通りの動きを繰り返しつつ、前半28分に背後に抜けるMF三戸舜介へのラストパスで決定機を演出したほか、後半13分には的確な縦パスをFW町野修斗に通して5点目の起点となり、局面で違いを見せていた。

 試合後、佐野は「前節の課題をしっかりとチームで共有できて、自分もその課題を考えてこの試合に入れた」と話し、オーストラリア戦での課題が活きていた様子。後半21分には得意の持ち上がりからのシュートが外れるなど「今日も得点はできなかったので、そこはまだまだ課題だと思う」と悔やんだが、周囲を活かすパスについては「いい動き出しをしてくれる選手がたくさんいるので」と手応えを口にした。

 また試合終盤には今季のブンデスリーガ走行距離トップを記録した運動量を活かし、カウンター対応に追われる3バックをサポート。サイド裏まで猛烈なスプリントを行い、突破を試みる相手を単独で止める場面もあった。佐野自身は「ああいうところでサボらず、自分の良さを出せる場面だった」と淡々と振り返ったが、他の選手にない類まれな能力を示すシーンだった。

 充実した形で終えた1年4か月ぶりの代表復帰シリーズ。それでも佐野は「スピードが上がった時、もっと強いチームとやった時に、もっともっとよくできることはあったと思う。より突き詰めていかないといけない」と謙虚な姿勢を貫き、9月からスタートするW杯出場国との親善試合を見据えていた。

(取材・文 竹内達也)