企業の社会的責任(CSR)の観点から人権侵害などのリスクがある鉱物を使用しないようにする「責任ある鉱物調達」という考え方があり、武装勢力への資金供与や人権侵害のリスクがある鉱物は「紛争鉱物」や「血の鉱物(Blood minerals)」と表現されます。Appleがこの「紛争鉱物」をiPhoneなどに使っている疑いがあるとして、コンゴ民主共和国(DRC)から訴えられる事態となっています。

Apple hit by Belgian probe over ‘blood minerals’ from Congo

https://www.ft.com/content/bf4dafef-a61f-442b-9c4d-d87abdea86e3

Apple faces criminal complaints over Congo conflict minerals

https://9to5mac.com/2025/01/20/apple-faces-criminal-complaints-over-congo-conflict-minerals-and-customer-deception/



DRCには金、ダイヤモンド、スズ、亜鉛、コバルト、コルタンなどの天然資源があり、埋蔵量は合計で24兆ドル(約3730兆円)にも上ると推測されています。

しかし、鉱物の採掘を巡っては100以上の武装勢力が入り乱れる紛争となっていて、特に、2021年以降はDRCと隣国のルワンダが互いに「相手方が民兵を支援している」と非難し合い、戦闘状態が激化しています。

‘Blood minerals’: What are the hidden costs of the EU-Rwanda supply deal? | Human Rights | Al Jazeera

https://www.aljazeera.com/features/2024/5/2/blood-minerals-what-are-the-hidden-costs-of-the-eu-rwanda-supply-deal



DRCはAppleが「紛争鉱物」である3TG(スズ、タンタル、タングステン、金)を使用していると主張して、ベルギーとフランスで訴えを起こしました。

ベルギーの検察当局はこの件についてコメントしなかったものの、捜査担当者を任命したとのことで、ベルギーで事件を担当するクリストフ・マーチャンド弁護士は「検察が事件を真剣に受け止めていることを示す第一歩です」と述べています。

なお、DRCの当局は2024年4月にAppleのティム・クックCEOとフランスの子会社に宛てて、サプライチェーンに紛争鉱物が含まれているという懸念を含む告知文を送付し、3週間以内に返答を求めていました。このとき、Appleは公にはコメントを発表しませんでしたが、のちに3TGサプライチェーンの業者は紛争鉱物を使用していなかったとアメリカ証券取引委員会に説明しています。