中居正広と港浩一社長

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 1月17日、中居正広と女性との「9000万円トラブル」報道について、フジテレビの港浩一社長(72)が緊急記者会見を開いた。この騒動は12月20日、NEWSポストセブンの報道で発覚。以来、ひと月近く経っての会見は遅きに失したと言って良い。その会見についても、関係する記者会の記者以外の参加を認めなかった点が批判に晒された。また、被害を把握してから1年半もの間、中居を同局の番組に出演させていたことが明らかになるなど、視聴者に大きな疑問を残す結果に終わった。一連の対応について、フジのトップである港社長の資質を問う声が上がっているのである。

 港社長は1952年、北海道生まれ。札幌西高校、早稲田大学第一文学部を卒業し、1976年、フジテレビに入社。2022年に社長の座に就いた。彼のフジテレビ内でのキャリアとそのキャラクターについては、社長就任時の「週刊新潮」の記事に詳しい。以下、当時の記事を再配信し、一連の対応を招いた原点を探ってみよう。
(「週刊新潮」2022年6月9日号記事の再配信です。文中の年齢、役職、年代等は当時のものです)

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【写真を見る】港社長の背後にいる「フジテレビの天皇」とは

 フジテレビの社長人事が話題だ。今月28日の株主総会・取締役会で金光修社長(67)が任期途中で退任し、後任に3歳年上で共同テレビジョンの社長を務める港浩一氏(70)が就任する。お台場で何が起きているのか。

中居正広と港浩一社長

「金光社長は2021年度の決算で、前年度より100億円以上の増収を達成するなど、一定の業績を上げてきた。社長の任期は1期2年と短く、就任から1年での交代は異例ですね」

 とは、フジテレビ幹部。

「一方の港さんは、フジの常務だった13年にバラエティー番組におけるヤラセ演出が発覚して減俸処分を受け、番組は打ち切りに。そもそも共同テレビはフジの関連会社の一つに過ぎず、その社長の座は出世争いから脱落した幹部が片道切符で就任する、“一丁上がり”のポストなんですけど」

 サラリーマンとしては終わったはずだが、テレビマンとしての経歴は華々しい。

フジテレビが視聴率も売り上げもTBSや日テレに次ぐ3番手だった1976年の入社です。その後、フジは80年代に入ると“楽しくなければテレビじゃない”というキャッチフレーズを掲げて多くのバラエティー番組をヒットさせた。その立役者が彼なんです」

「体の芯までフジテレビの体質」

 タモリ(76)が30年以上もMCを務めたかつての看板番組「笑っていいとも!」をはじめ、大人数を擁するアイドルグループの先駆けともいうべき、おニャン子クラブが輩出した「夕やけニャンニャン」、漫才ブームを背景にビートたけし(75)、明石家さんま(66)、片岡鶴太郎(67)らが笑いのセンスを競った「オレたちひょうきん族」、女子大生ブームの火付け役となった「オールナイトフジ」など、誰もが知る人気番組がそれに当たる。結果、フジは視聴率競争で民放トップの座に。

 かくして港氏は“敏腕プロデューサー”の異名をほしいままにした。芸能人の中では、とくにお笑いコンビ・とんねるずの石橋貴明(60)と木梨憲武(60)の二人と親しく付き合った。

「プロデューサーを務めた『とんねるずのみなさんのおかげです』と、その後継番組『とんねるずのみなさんのおかげでした』は、それぞれ最高視聴率が29.5%、24.8%と未曾有の数字を叩き出した。番組では木梨が港氏を模した〈小港さん〉というキャラで登場したことがあったほど」

 当時は“社長候補の最右翼”と目されたものの、勢いにかまけて番組制作では大小の不祥事も散見された。

「それも含めて、良くも悪くも体の芯までフジテレビの体質が染みついた人」

白羽の矢を立てたのは誰?

 番組作りの辣腕ぶりはフジを去った後も発揮された。テレビ記者が後を引き取る。

「共同テレビはテレビ東京の『孤独のグルメ』をシーズン9まで続くヒット作に育て上げ、港さんの社長就任後に手がけたNHKのバラエティー『チコちゃんに叱られる!』も大人気。いまや“親会社”のフジテレビより勢いがありますよ」

 そんな港氏に白羽の矢を立てたのが、およそ30年にわたって社長と会長を務め、いまも“フジテレビの天皇”と呼ばれる日枝久取締役相談役(84)だという。再びフジテレビ幹部の解説。

「港さんは金光社長の三つ年上なので、局内には“早期退職制度で中堅幹部をリストラし、社内の若返りを図った人事構想に反する”との反発もある。それでも日枝さんはかつての黄金時代の再来に懸けている。若手の間には“そんな発想をする時点で老害”との冷ややかな見方もありますが」

 港氏についてよく知るさんまも、

「自身の深夜ラジオで“大変な時期なのよ、テレビ業界。そこで社長にならされるのは『え〜』って感じやと思うねん”と、皮肉交じりに港氏を気遣っていましたね」(先のテレビ記者)

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 本件を巡っては、フジテレビの幹部が、女性アナウンサーを、芸能人などとの接待の場に連れていっていたのではないか、との疑惑が報じられている。会見で港社長はこの件を否定したが、もし事実だとすれば、これはフジテレビの体質そのものということになり、上記の記事のように、「体の芯までフジテレビの体質が染みついた人」である港社長の対応が不十分なのは、納得できる話だ。

 また、上記の記事で港社長のバックにいると指摘されている“フジテレビの天皇”日枝久取締役相談役も、本トラブルについての1月16日発売「週刊新潮」の取材に、「会長か、社長に聞いてよ」と逃げのコメントだ。

 窮地に追い込まれたフジテレビ。港社長の下で、果たしてこの難局を乗り越えることが出来るのだろうか。

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デイリー新潮編集部