“仕事だけ”の関係ではなく「一緒に生きている」 2万人の在留外国人と共に生活するために、職場・学校・行政のそれぞれの取り組み
今、熊本に住む外国出身の人が増えています。
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去年12月時点の熊本県内の在留外国人(※)は約2万人で、10年前と比べて2倍以上に増えました。
文化や習慣の違いを感じるケースがある中、それぞれが歩み寄る取り組みを紹介します。
※在留外国人:90日以上の中長期在留者及び特別永住者(法務省ホームページより)
“仕事だけ”の関係ではなく「一緒に生きている」
人口 約1万4000人のあさぎり町にある『村田産業』。
半導体電子部品を製造する企業です。
ここで働く約450人の従業員のうち、約2割にあたる100人ほどが技能実習生などの外国人材です。
ここは、外国からやってきた人たちに徹底して行っていることがあります。
技能実習生を受け入れ支援するGMT協同組合 島巻恵里 代表理事
「『自分達がどういった現場で働く』など“仕事”のことを、実習生に『こういうところです』ときちんと説明している」
村田産業では、実習生の受け入れを支援する団体「GMT協同組合」などと協力し、必ず面接前に会社説明会を開き、生活面・仕事内容・収入面などを詳しく説明しています。
事前の説明不足によるトラブルやミスマッチを減らすための取り組みです。
実は徹底した事前説明は当たり前のことではなかったということです。
島巻 代表理事「きちんと(事前に)説明する。熊本でただ働くだけではなく、熊本に来て楽しんでもらいたい」
こうして熊本に来た実習生たちは…。
ミャンマー人技能実習生 ジュライモーさん「(会社説明会では)仕事のことや、生活のサポートのことを教えてくれました」
特定技能で働くネパール人 シュレスタ・プジャさん「(東京や福岡に行きたいと思わなかった?)それはないです。あさぎり町は静かで人が優しいから、ここの方がいいです」
受け入れている会社も、変化を感じています。
村田産業 木村智成 専務「本当の意味で付き合っているというか、ただ仕事だけ(の関係)ではなく、一緒に生きているという感じはします」
来日当初は苦痛の日々、文化交流の輪をひろげる活動始める
こちらは大津町の小学校。放課後に台湾のスイーツを作っていました。
台湾で冬至の日に食べるスイーツです。
参加した児童「台湾のことは勉強して楽しい」
このスイーツ作りを開いたのは台熊友好会(たいゆうゆうこうかい)。
約30年前に台湾から来日した徐秋美(じょ あきみ)さんが文化的な交流を深めたいと2022年に立ち上げた団体です。
徐さんは来日当初、日本での生活を苦痛に感じていました。
台熊友好会 徐秋美 会長「言葉の壁が厚すぎて、みんなが笑っているのに自分だけ何を笑っているのかわからなくて。ずっと泣いていた」
そんな徐さんが立ち上げた、台熊友好会が進めている取り組みの一つが「熊本の小学生に台湾文化を教える教室」です。
台熊友好会運営メンバーが子どもたちと一緒に生地を細長く伸ばしています。
台熊友好会運営メンバー 松岡光希さん「一つの大きな玉を長く伸ばして、そこから何個作る?」
子どもたち「24個!」
そしてスイーツが完成しました。
参加した児童
「ゴマとかピーナツを入れたことがなかった。おいしかった」
「(台湾に)行ってみたいです。何があるのか気になりました」
台湾文化の理解が徐々に深まっています。
地域の受け入れ態勢を整え、そして知ってもらうために
今月13日、芦北町(あしきたまち)では台湾からやってくる人を呼び込むヒントを探す、視察ツアーが開かれていました。
熊本県の職員や地元企業が、台熊友好会のメンバーから台湾の人の好みを聞き取ります。
ツアーで訪れたのは、県内最大級の砂浜「御立岬公園海水浴場」。
芦北地域振興局総務振興課 前田翔 主事「海水浴は台湾でも人気ですか?」
台熊友好会運営メンバー 林欣儀さん「(台湾から)今、来ている人たちは、こんな場所を求めていると思います」
芦北町のキャンプ場では…。
徐 会長「ここで出たごみを持ち帰るべきかどうか、表示がない」
前田 主事「ルールの表示ですね」
視察ツアーを主催した県の担当者はツアーの意義を感じていました。
前田 主事「外国語の説明など受け入れ態勢を作るのはもちろんだが、外向きに地域のPRをいろいろな形でできればいいなと」
今、行政や企業、台熊友好会が協力してこれから台湾から来る人に向け熊本のことを知ってもらう準備を進めています。
