攻守の両局面で存在感を示す井上。横浜FCのJ1残留でカギを握る1人だ。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

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 24節を終えて、4勝6分14敗。勝点18の横浜FCは17位に沈み、残留争いに巻き込まれている。

 直近2試合は連敗。思うように結果を出せていないが、チームとして戦い方にブレはない。ボランチの井上潮音は「迷いなく、試合には入れている」と語る。

 試合では、どちらかと言えば、守勢に回る展開が長く続くが、焦れずにプレーすることは選手全員で共有されている。

「今、チームがこういう状況なので、そこまでリスクはおかせないというか、最悪、引き分けで勝点1でも拾って、という戦い方ですけど。そういった意味では、我慢は必要かなと思います」

 手堅く守りながら、機を見てゴールを狙う。抜群のポジショニングで攻守のつなぎ役を担う井上は、両局面で欠かせないキーマンだ。

「攻撃の時は、前の選手とのつながりは意識してやっていますし、守備の時は後ろの声を聞きながら、後ろがしてほしいようなポジション取りをしています」

 守から攻に切り替わったタイミングは、見せ場の1つだ。味方からのパスに反応すると同時に、寄せてくる相手を巧みなターンでひらりとかわしてみせる。

 強引さはなく、スムーズに、余裕を持って、前を向く。「僕の特長でもありますし、あそこでボールを取られてしまうと、僕の選手としての価値はないと思う。こだわりは持ってやっています」と言葉に力をこめる。
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 そこまでサイズがあるわけでもない。だからこそ、磨いてきたストロングポイントだ。バックパスでは攻撃の“スイッチ”になりにくい。自らの果敢なアクションでボールを前に運べれば、「チームとして楽」になるのは間違いない。

「それが勝ちにつながっているかは分からないですけど、そういう流れを持ってこられるようにしたい」

 今季にヴィッセル神戸から完全移籍で加入。リーグ戦では、ここまでの24試合すべてに出場し、13節以降はスタメンを続ける。「自分のリズムもできてきて、充実感は得られている」という。

「最初よりは、周りの人の特長も理解していますし、僕の特長も理解してもらえていると思う。自由にやらせてもらえているので、やりやすさがあります」

 自身のパフォーマンスには確かな手応えがある。それをいかに勝点につなげるか。J1残留を手繰り寄せるためにも、背番号20のさらなる奮起が必要だ。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)