大型サイドバックとして将来を嘱望される関根。25年の柏入りが内定している。写真:安藤隆人

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 187センチのサイズがあって、足もとも上手い右サイドバック。拓殖大3年生の関根大輝は空中戦の強さはもちろん、静岡学園で磨かれた技術とパスセンス、そしてスピードを駆使して、サイドからの突破や中央に入ってビルドアップに関わり、フィニッシュワークもできる万能型サイドバックとして今、注目を集めている。

 5月11日には2025年シーズンからの柏レイソル入りが内定。同24日にはルヴァンカップの鹿島アントラーズ戦でフル出場し、プロデビューを飾った。

「最初にオファーくれたチームに行きたいと僕の中で決めていた」

 関根は早い段階での柏入りの真意をこう口にした。静岡学園時代はセンターバックとしてその才を発揮していた彼は、今後の伸び代が期待される存在として拓殖大に進んだ。

 すると1年次の関東大学サッカーリーグ1部の後期から、前への推進力とビルドアップの上手さを評価されて右サイドバックにコンバート。これまで一度もやったことがなかった新天地で、持ち前のインテリジェンスとセンスを持ってすぐに順応した。
 
 ここから『伸び代十分の大型サイドバック』として希少価値が一気に増したことで、周りの環境は大きく変わった。おそらく柏以外でも関根の獲得に動こうとしていたクラブは多くあっただろう。

 先に動いたのが柏であったが、もう少し待てば他のJ1クラブからもオファーはあったに違いない。だが、関根は柏入りを即決した。

「もちろん『早すぎるのではないか』と周りからは言われましたが、仮に何個もオファーが来て、選択肢が増えることで、逆に迷って後悔したりすることが嫌でした。1つしか選択肢がないなかで決めてしまえば、もうそこで頑張るしか道はなくなるので、そのほうが自分にはあっていると思って、すぐに返事はしました」

 打算的な考えは一切なく、縁を大切にした。覚悟を持って決断したことで、今の彼に「こうしておけば良かった」という思いは一切ない。

「レイソルと大学で結果を出すしかない。もうやることははっきりしているので、自分のベクトルを向けられています」

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 関根にはもう1つ明確な目標があった。それは来年開催されるパリ五輪に出場することだ。実際、彼は6月10日にU-22イングランド代表と、14日にU-22オランダ代表と対戦するU-22日本代表のヨーロッパ遠征メンバーにも選ばれた。

「代表ではセンターバックもやると思うのですが、どのポジションでもビルドアップの部分は一番見てもらいたいところなので、そこを発揮できたらなと思っています」

 話を聞いたのはちょうどヨーロッパに飛び立つ日だった。この日の14時に関東大学リーグ1部の桐蔭横浜大戦の試合にフル出場した後だった。

 この試合、拓殖大は22分に退場者を出し、70分近くを10人で戦わなければいけない状況だった。関根もそのなかで守備に奔走しながらも、積極的に中盤に顔を出し、ビルドアップに関わろうとしていたが、チームは失点を重ねて0−6という大敗を喫した。

「前半は1人少なくてもやれている自信があったので、動き出しとかポジショニングも狙い通りにできていたのですが、後半は相手も修正してきて、かつ僕らの運動量も落ちて一気にやりづらくなりました。苦しい状況を跳ね返せないまま終わって、本当に悔しいというか、情けない気持ちはあります」
 
 大量失点のショックはあったが、関根は遠征に向けて気持ちを切り替えていた。

「この間、U-20ワールドカップがあったじゃないですか。それをテレビで見ていたのですが、192センチある川崎フロンターレの高井幸大選手が本来のセンターバックではなく、右サイドバックで出場していました。プレースタイル的にも僕と似ていますし、彼がサイドバックで起用された理由がクロス対応とビルドアップの部分で、僕がセンターバックからサイドバックにコンバートした理由と同じというのもあって、注目して見ていました。

『こうやってクロス対応すればいいんだ』など、すごく参考になる部分もありましたし、逆にサイドバックの難しさもまざまざと見せつけられた気がしました。高井選手はフロンターレに戻ればセンターバックに戻るかもしれませんが、右サイドバックとしてワールドカップで戦った経験は絶対に生きると思います。

 僕も高井選手のように早く世界のトップレベルのアタッカーたちと真っ向から向かい合いたいと思っていたので、今回の代表はかなりモチベーションが高いです」

 関根を高校時代から取材しているが、非常にサッカーに対して真っ直ぐで学ぼうとする姿勢を持った選手である。取材に行くたびに自分の課題を明確に答えられる選手で、それを解消するためにはどうすればいいかもはっきりと口にできる。今回も自分の課題を把握し、ヨーロッパ遠征でトライしたいこと、吸収したいことをしっかりと口にした。

「ルヴァンカップで一番感じたのは、トラップをしっかりと自分の足もとに止めないと、ちょっとでも遊ばせてしまうと、相手にガッと来られるなと感じました。受ける位置とか、そこを工夫するだけで余裕がだいぶ変わるなと思いました。

 それがヨーロッパの強豪が相手となれば、よりシビアになってくると思うので、もっと余裕というか、選択肢を増やして、かつ頭の回転も早くさせないといけない。高い意識を持って吸収できるものは吸収して、今後につなげたいです」
 
 酒井宏樹の後釜として、日本サッカー界において非常に希少価値の高い大型サイドバック。関根大輝は周囲の期待を一身に背負って、プロ、代表で大きく輝く準備を着々と進めている。

取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)