閉店記念でゲーム機当たる?(画像はニンテンドースイッチ)

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「間も無く閉店ということで、 感謝を込めて」――。ゲーム店やカードショップの店長などと名乗り、人気ゲーム機を抽選でプレゼントする。こんなキャンペーンを打ち出すアカウントが、近ごろツイッター上に増えている。

賞品は「プレイステーション(PS)5」や「ニンテンドースイッチ」、あるいはトレーディングカードゲームのカードが主だ。ただ、アカウント名をインターネット上で検索しても実店舗の情報が見つからず、本当に当たるかいぶかしむユーザーは多い。

フォローやリツイートを条件に

2022年9月6日現在、ゲーム店・カード店の店長などと名乗り、閉店にあわせたプレゼントキャンペーンを打ち出すアカウントが少なくとも4つ存在していた。このうち2つが、8日までに削除されている。

いずれも過去数か月以内に閉業済み、あるいは閉店予定と説明。アカウントのフォローやリツイートを参加条件としている。ツイッター開始時期は2022年9月と表示されている。ごく最近だ。

4つアカウントのうち、3つは「ゲームショップ〇〇」などと、具体的な店名や地名をユーザー名・プロフィール名に含む。しかし、グーグルで検索しても同名の実店舗は見つからない。

PS5を賞品にしたツイートでは、2万件のリツイートを獲得しているものがある。

同じようなアカウントとして、9月初頭には「元モリモリカードショップ店長」と名乗るアカウントがあった。すでにツイートは全て削除済みだが、グーグルのキャッシュ(一時的に保存されたウェブページの情報)閲覧機能で一部を確認できる。ツイッター開始時期は2019年9月とあるものの、検索しても実店舗は見つからない。

このアカウントの説明によると、同店は22年8月31日に閉店。「閉店セールで売れ残った商品」として、ゲームのカードやスイッチの抽選キャンペーンツイートを複数投稿した。参加条件はフォローとリツイートだ。

実際にこのアカウントに応募を試みたツイッターユーザーの「えむ」さんに取材した。閉店報告や抽選ツイートの以前に過去の投稿がなかったことや、なぜかツイートには他ユーザーから返信ができない設定になっていたなどの不審点から、応募時から怪しい目的ではないかと感じていたという。

ポイントサイトに誘導

えむさんは9月4日、「元モリモリカードショップ」の抽選キャンペーンに応募した。賞品はスイッチだ。応募後、アプリ「LINE」でのやりとりに誘導され、日付が変わるとすぐに当選通知を受けた。

当時のやりとりをスクリーンショット画像にして残している。それによると、ショップ側は「(スイッチを)受け取る為の条件なのですが指定したサイトへアドレスをご登録いただき、完了後プレゼントさせていただきます」と、えむさんを外部サイトに誘導した。

その下には「ビッコレ」というウェブサイトのURLが添えられていた。ビッコレは、同名の会社(東京都港区)が運営するポイントサイト。これを利用してインターネット上で買い物をしたり、友人にビッコレを紹介したりすると、ユーザーは一定額の「ビットコイン」をもらえる。この「ビッコレ」への登録を求められた。

上述のような紹介制度を利用しての、報酬獲得を目的とした架空のキャンペーンではないかと、えむさんは推測した。さらなるトラブルの可能性もあり得ると考え、提示されたURLへのアクセスはせず、「元モリモリカードショップ」側のLINEアカウントをブロックしたとのことだ。

ツイッター上にはほかにも、同「元モリモリカードショップ」に応募した結果、当選通知を受け「ビッコレ」サイトへ誘導されたとの投稿が複数みられる。取材に応じた別のツイッターユーザー「ねこみかん」さんもこの抽選ツイートに応募の上、同じように「ビッコレ」への登録を求められたと話した。

「閉店記念抽選」を行う各アカウントの実態や目的は不明だ。ただ実際に当選しゲーム機が送られてきた人は、記者が調べた限りは見当たらない。