中国では国を挙げて科学技術強国を目指しているが、ノーベル賞受賞者の数では日本に遠く及ばず、比較の対象にもならないことを気にしているようだ。中国メディアは、「日本人にノーベル賞受賞者が多い理由」を分析する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国では国を挙げて科学技術強国を目指しているが、ノーベル賞受賞者の数では日本に遠く及ばず、比較の対象にもならないことを気にしているようだ。中国メディアの騰訊は16日、「日本人にノーベル賞受賞者が多い理由」を分析する記事を掲載した。中国では軽視されているあることを、子どもたちに教えていると称賛している。

 記事はまず、日本がいかにノーベル賞受賞者を多く輩出してきたかを紹介。特に、2000年代以降、毎年のように受賞者を輩出してきたと伝えている。日本は2001年に50年で30人程度のノーベル賞受賞者を出すとの目標を設定したが、実現に向けて着実に進んでいると称賛した。

 これだけ多くのノーベル賞受賞者を輩出している日本には、何か秘訣があるのだろうか。記事は「小学校で行っている理科の授業」にあると分析。現在の理科の授業では、まず自然に親しみ興味を持たせることを大前提にしているようだ。そのうえで子どもが自ら疑問点を見つけ、解決策を見つけるようにさせている。あるノーベル賞受賞者も、子ども時代に自然に接していると、科学に知的好奇心を抱くようになると語ったと紹介した。

 記事によると、中国にも昔から同様のカリキュラムがあり、1981年以前は小学校の「自然常識」という授業で自然に関する知識を学んでいたという。その後「自然」という授業名に変わって科学に対する啓もう教育を行うようになり、2001年以降は「科学」という授業名となって科学探求を重視した授業になったはずだと紹介。しかし、現実には多くの卒業生にとって「科学」の授業の印象は薄く、「学校からも軽視されている」とした。

 日本の「小学校の理科の授業」は、ただ知識を与えるだけでなく、考える力を育てるようにしているのが中国との大きな違いかもしれない。日本のような授業が理想的だが、今の中国ではどうしてもテスト対策になってしまうのが現状なのだろう。中国で称賛されている、日本の「考える力を育てる」教育を、これからも大切にしていきたいものだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)