コンビニコーヒーの先駆けとなったセブン-イレブン。何度かの試行錯誤を経て、2013年に大ヒット商品となった

 2020年1月21日、熊本市中央区のコンビニエンスストアで、レギュラーサイズのコーヒー(100円)を購入したにもかかわらず、ラージサイズのカフェラテ(200円)を注いだとして、区役所職員が現行犯逮捕されたという事件があった。職員は「お金がもったいなかった。数カ月前から20回はやった」と供述していることから常習性は明らかで、警察官が店内で待機していたため現行犯逮捕となったようだ。

「今回の事件は、ラージを受け取るつもりがあったにもかかわらず、レギュラー分の代金しか払いませんでした。今回は窃盗容疑での逮捕になりましたが、要するに相手を騙すわけですから、詐欺に問われる可能性はあります」(猿倉健司弁護士)

 身近な存在となったコンビニコーヒーだが、我々もうっかりサイズを間違えて持ち帰ってしまったら、罪に問われるのだろうか?

「持ち帰ったあとで気づいたのではなく、ボタンを押しているときに間違いと気づいたのに持ち帰った場合は、店員がすぐ横にいる状況ならば、詐欺になる可能性があります。レギュラーを飲むつもりで代金100円を支払ったのに、カップを受け取ってマシンのところに行くまでの間に『ラージサイズを入れちゃおう』と思った場合は、代金を支払う時点では店員を騙そうと思ってないので、窃盗になります」(同前)

 ところで各コンビニの店員は、コーヒーを購入した客が、マシンでどのボタンを押したのか、じつはわかっているのだろうか? 押し間違いに気づいた場合は、どのように対処しているのか? セブン‐イレブン、ファミリーマートローソンのコンビニ大手3社に聞いた。

「具体的な設備に関しては公開できないのですが、お客様がどのボタンを押したかは、店員にはわかるようになっています。お客様のサイズボタンの押し間違いに関しては、お客様のほうからお申し出をいただくこともありますし、お店の側で『違うのでは?』と気づいた場合には、お声がけさせていただいております」(セブン&アイ・ホールディングス広報)

「現在、弊社のマシンでは、お客様に対しては店員がカップをお渡しするという形でオペレーションをしておりますので、店員側からはお客様が何を押したかはわかりません。もちろん、お客様が誤って押してしまう可能性もございますので、それを極力、防ぐため機械側のSやMの表記を、文字や写真で大きく表記しています。レジでカップをお渡しする際は、お客様に『Mサイズでよろしいですか?』と再度、確認をさせていただいております」(ファミリーマート広報)

「弊社は、一部セルフの店舗もありますが、基本的には店員がコーヒーを注いでお渡ししています。そのためお客様による押し間違いは発生しません。セルフの場合は、店員側からお客様が何を押したかはわかりませんが、もし誤って違うボタンを押してしまった場合には、従業員までお声がけいただきたいと考えています」(ローソン広報)

 最後に、念を押すように猿倉弁護士が言う。

「もし、みなさんも仮に押し間違えてしまったなら、絶対に店員さんに申告してください。自分から言わないでいると、間違えた可能性と、意図的にやった可能性が両方残ってしまいます。『騙すつもりがあってやった』と誤解されかねないので」

 間違ったら即座に訂正、どんな世界も、これ鉄則です!