南アフリカのラシー・エラスマスHC【写真:Getty Images】

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2015年の日本勝利は「ブライトンの奇跡」、苦杯なめた南アHCが闘志

 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は、A組最終戦で日本がスコットランドに28-21で勝利し、史上初の8強入り。4連勝で首位通過を決めた。20日の準々決勝で世界ランク5位の南アフリカと対戦。前回の2015年大会、日本に敗れた南アフリカのHCは「もし決勝トーナメントで彼らとプレーしても、あの日が言及されることはないだろう」と4年前の敗北を消し去ったことを強調している。英紙「ガーディアン」が報じている。

 快進撃を続ける日本に立ちはだかるのは南アフリカだ。ニュージーランドとともにB組を2位で勝ち上がった世界屈指のフィジカルを誇る強豪。W杯を2度制した同国のラシー・エラスマスHCは、日本との対戦を前にこう語っている。

「彼らはワクワクしているし、そうであるべきだ。素晴らしい働きを見せているからね。彼らの準々決勝進出に驚きはない。先月に戦ったあと、私は彼らがプールで1位か2位になると思うと、話した。世界ランクでは7位に浮上した。非常にタフな試合になる」

 南アフリカと日本は前回大会の1次リーグでも対戦。日本が劇的勝利を挙げ、世界中から「ブライトンの奇跡」などと称賛を浴びた。日本では感動を呼んだ試合だが、南アフリカにとっては苦杯をなめさせられたものだった。当時の話について質問されることも多い。そんな中、2大会連続で対戦の機会が巡ってきた。

 今大会前の9月6日にもテストマッチで対戦し、南アフリカが41-7で勝利している。記事では、同HCは「ブライトンは過去のもの。あのテストマッチは2015年を拭い去るためだ。両チームとも先月から進化している。日曜日、両者が期待の重圧にどう対応するのか、興味深い」と語り「もし決勝トーナメントで彼らとプレーしても、あの日が言及されることはないだろう」と、すでに敗戦の悪夢を払拭したことを強調している。

南アフリカHCは日本文化歓迎も、試合では「敵」を強調

 大会開幕時に世界ランク10位だった日本は、同2位(試合時)だったアイルランドを破るなど、1次リーグ4連勝で同7位に浮上。過去最高位を更新し、A組首位で初の決勝トーナメント進出を決めた。生き残りを懸けたスコットランド戦では、国内の視聴率も平均39.2%、瞬間最高53.7%を叩き出した。エラスマスHCは、おもてなしの日本文化に敬意を払いつつ、試合は「敵」であることを強調した。

「日本の人々を嫌いになるのは、非常に難しい。チームを受け入れ、ジャージを身にまとい、非常に歓迎的だ。これまでの人生で経験したことがなく、本当に特別に感じている。

 とは言うものの、我々は自国のためにプレーし、W杯優勝を果たしたい。日本は敵ではあるが、それは来週のみだ。この国や人々を愛している。しかし、彼らを倒さなければいけない。最も感銘を受けているのは、プレッシャーへの対応だ」

 舞台が大きくなるにつれて増していく重圧がある。目に見えないものを克服し、準決勝に勝ちあがるのは伝統国か、飛ぶ鳥を落とす勢いの日本か。注目が集まる。(THE ANSWER編集部)