大企業、または労使合意がある会社に週20時間以上勤める、月給8万8000円以上のパートの方は社会保険に入ることになっています。パートと専業主婦がもらえる年金に違いはあるのでしょうか?

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パートの年金は大きく3つ!

大企業、または労使合意がある会社に週20時間以上勤める、月給8万8000円以上のパートの方は、社会保険に入ることになっています。パートと専業主婦の年金に、違いはあるのでしょうか?

今後、月給要件が緩和され、社会保険に加入するパートの方が増えると思われるので、知っておきましょう。

パートの年金は大きく3つに分けられます。

▼1. パートの勤務先で社会保険に入っている場合現在は、厚生年金被保険者が常時501人以上の企業等(国の公共団体含む)、または社会保険加入を労使で合意している企業等で週20時間以上働き、月額8万8000円以上の給与を受け取る、1年以上勤続(見込みも含む)のパートの方も、厚生年金・健康保険に入ることになっています。

月約8000円の厚生年金保険料を1年間納めると、将来、一生涯にわたって老齢厚生年金が年約5800円増えます。国民年金保険料も納めているので、老齢基礎年金も年約1万9000円増えます。

▼2. パートの勤務先では社会保険に入っていない、夫の社会保険の扶養の範囲内で働いている場合年収130万円以内で働いている場合は、年金も健康保険も夫の扶養なので、国民年金の第3号被保険者となり、満額保険料(月額1万6410円・平成31年度価格)を納めた扱いになります。

▼3. パートの勤務先では社会保険に入っていない、夫(自営業等)の社会保険で扶養に入っていない場合妻の年収に関わらず、国民年金の第1号被保険者として月額1万6410円(免除・猶予は申請できる)を納めなければなりません。
  

専業主婦の年金は夫の職業で異なる!

専業主婦の年金は、夫の職業で大きく異なります。

▼1. 夫が会社員で、社会保険の被扶養者の場合厚生年金・健康保険が夫の扶養で、年金保険料を自身で支払わなくても国民年金の第3号被保険者となり、満額保険料を納めた扱いです。1年間、第3号被保険者でいると、年金は年約1万9000円増えます。

▼2. 夫が自営業、または退職者で、専業主婦でも年金保険料を支払う場合夫が自営業等だと、妻が専業主婦でも第1号被保険者として年金保険料(月額1万6410円)を納めなくてはならないのです。

パートの年金と専業主婦の年金。最大の違いは?

パートで社会保険に入る場合と、専業主婦で会社員の夫の扶養に入る場合(それぞれ1のケース)で、どんな部分が違うか比較してみましょう。

▼1.パートでも自分で社会保険に入っていると、国民年金に厚生年金が上乗せされるパートで社会保険に入ると、国民年金の第3号被保険者(会社員夫の扶養)になるより安い保険料で、国民年金に上乗せされた厚生年金を将来受け取ることができます。


▼2.パートでも20年以上厚生年金に入ると、配偶者が年下の場合に本人に加給年金が支給される妻が20年以上厚生年金に入ると、年下夫の場合、妻に加給年金39万100円が支給されるようになります。

▼3.万一障害を負った場合、社会保険に入っている方が緩い基準で給付が受けられる国民年金加入の場合は1、2級の障害でしか年金は受けられませんが、厚生年金加入なら1、2級よりも軽い障害3級でも年金や障害一時金が支給されることがあります。

▼4.万一「離婚分割」をする場合、パートは合意分割に、専業主婦は3号分割になる離婚に伴う年金の分割をする際、パートは合意分割に、専業主婦は3号分割となります。

3号分割は単身で請求でき、比較的簡単な手続きで年金が分割できますが、パートで社会保険に入っていると合意分割となるので、離婚後も元配偶者と顔を合わせて手続きする可能性もあります。

パートの社会保険加入は将来年金が増えるメリットがありますが、会社員の妻の場合、目先の家計の手取りは減ってしまいます。

要件を満たしている会社はまだ少ないため、パートの厚生年金被保険者は、男女合わせて約38万人(厚生年金被保険者は約4266万人)にすぎません。

しかし、今後は月額6万8000円以上に要件が緩和される方向なので、パートの厚生年金・健康保険の加入者は増加するでしょう。
(文:拝野 洋子(マネーガイド))