Twitter、宗教を理由としたヘイトツイート禁止を明文化
Twitterは7月9日(現地時間)、ヘイト行為に関するルールを改定し、宗教を理由に、他の人を非人間的に扱うツイートを禁止すると発表しました。ルール改定以前のツイートに関しては、通報があれば削除を要請しますが、それを理由にアカウントの停止は行わないとのこと。ただし、今後のツイートについては、他のヘイト行為と同様、アカウント停止の対象となります。

禁止されるツイートの例としては、「我々はネズミを駆除する必要がある。(宗教名)はおぞましい」といったもの。

Twitterでは、従来から宗教に基づいたヘイト行為や、特定のグループ(人種や出身地、性別など)に対する同様の行為も禁止していました。しかし、2018年にヘイト対策についての意見を募集したところ、2週間で8000件を超える反応がありました。

この意見を集約する中で、ルールの範囲が広く、明確性に欠けていたことが分かったとのこと。このため、対象を明確にするとともに、一貫性をもって施行できるよう、規則に違反する可能性がある例を検討するに時間を費やしたとしています。

ちなみに、Twitterルール上では、

また、宗教を理由にして人々の集団を非人間的に扱う行為も禁止しています。

の一文が追加されています。なお、今回は宗教が対象となっていますが、今後、他のグループをカバーする可能性も示唆しています。

ただ、対象を拡大する前に、差別的な用語が肯定的に使われているような、社会的に疎外されたグループ内の人々の会話をどのように保護するか、ヘイトに見えても一連の文脈の中ではそうとも限らない場合にどうするかなど、検討しなければならない要因があるとのこと。

すべてのヘイト行為を禁止してしまったほうが良さそうですが、そうなると判断基準があいまいになってしまうため、1つずつ細かに調整しているのでしょう。

ルールを明確にする取り組みとしては、Twitterは6月にルールの大幅な改定を行い、文章量を4分の1ほどに整理しました。また、政治家のツイートに関してはルール違反のものでも削除しない方針を打ち出しています。

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訂正(7/10 19:00):一部文言を修正しました。