「日ハムの『高卒ドラ1投手』の育成法は独特です。6月中に体力的、精神的なピークが来るという認識に基づいて、大谷翔平は5月下旬、ダルビッシュ有も6月中旬に初登板させたのです。吉田輝星も入団時から、この時期の初登板が決められていました」(球団OB)

 初登板で、セ・リーグ三連覇中の広島を相手に初勝利を挙げた吉田輝星(18)。その「特別待遇」ぶりを、別の球団OBが語る。

「肩のスタミナは十分にあることがわかっていたので、春季キャンプから無理をさせず、調整させてきた。コーチ陣は『二軍では何敗させてもいいから、とにかく一軍で通用するストレートを投げられる状態に仕上げろ』と言われていた」

 初登板翌日に登録抹消となった吉田だが、「特別待遇」は続く。

「二軍で調整させて、再び一軍昇格というのが通常ですが、吉田はこのまま一軍帯同。高校時代に甲子園で投げすぎた肩の状態が悪化していないかをチェックして、ゆっくり休ませるための登録抹消ですよ。

 問題がなければ、6月下旬の中日戦に先発させるというのが、首脳陣の描くシナリオです。

 入団当初から、同じく甲子園でスターになった斎藤佑樹となにかと比較されるせいか、成績を残さなければ『ハンカチ二世』と言われると必死です」(スポーツ紙記者)

 冒頭の球団OBが語る。

「現状はダルビッシュ、大谷の2人よりも優れている点はないですね。劣っているのは変化球。もっと精度の高い変化球をマスターすることが、今後の課題です」

「カナノウ旋風」第二章を巻き起こせるか。

(週刊FLASH 2019年7月2日号)