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AUTOCAR JAPAN sponsored by Sumitomo Rubber Industriestext:Kentarou Nakagomi(中込健太郎)photo:Keisuke Maeda(前田惠介)

もくじ

ー 1998年式ラグナに、オールシーズンタイヤ
ー ロングドライブで知る、欧州品質
ー 気になる雨、そして雪

1998年式ラグナに、オールシーズンタイヤ

正直オールシーズンタイヤに対して、どこか懐疑的に感じているところがあった。グリップの面で不利なのではないか。ノイズや雪上性能についても「帯に短し。たすきに長し。」なのではないか。したがって今までは大変な思いをしてシーズン毎にタイヤを履き替えたり、チェーンでしのいだりして、年に数日の積雪をやり過ごしてきたのである。

しかし、最近はかなりイイとも聞いていたので、今回ファルケンの新しいオールシーズンタイヤ「ユーロウインターHS449(エイチエス・ヨンヨンキュウ)」を試せることとなり、そのあたりがどれほどのものか、相当に興味のある所なのだ。

昨年縁あって筆者の元にやってきた現在のアシ、ルノー・ラグナにそのタイヤを履かせて、しばらくテストしてみようと思う。

このラグナは、内装がレザーシート、そしてトノーボードにスーツケースの備わる「バカラ」。もう四半世紀もの間、ワンオーナーで乗られてきて、距離はまだ3万5000km。川崎33という古い車種分類番号を持つ個体である。

タウンスピードでは、それこそ最近話題の「ワンペダルコントロール」が効き、高速域では、トルクフルなエンジンとの相性を示す心地良い走りを体感させてくれる。ギヤ感の強いオートマティック、その仕組みの秀逸さを存分に発揮させるために、ATFのメンテナンスには気を使っている。

ドイツのタイヤブランド、FALKEN(ファルケン)を試す

で、今回はタイヤの話である。このファルケン・ユーロウインターHS449、そんなつい遠くまで走りたくなるラグナでも、その気をそぐことは全くなく、むしろ遠出がどこか頼もしい。そんなチョイスではないだろうか。それが早々感じた感想だ。

 

ロングドライブで知る、欧州品質

装着してから大阪まで走る機会があった。

路面温度もかなり高くなる夏の日中。ペースの速い夜間。新設の高速道路は走りやすいが、タイヤにとって平易かといえば、そんなことはない。むしろ温度差、歓迎の雨かとさえ思うほど高確率で降る鈴鹿山地の雨。「オールシーズン」と風呂敷を広げたのだから不利だろうと、筆者自身が目こぼししていたところがある。

しかし、琵琶湖を過ぎ、京都の街に差し掛かるあたりで、見くびって申し訳ないと思ってしまった。

トレッドの剛性は高いから、しっかりとコーナリングする。それなのに接地感は「マイルドで心地良い」。ウェット走行時の排水性のポイントは、トレッドセンターの2本の太い溝。

 

ラグナのアシだからではないかと疑う諸兄もいるかもしれない。どこまでもオン・ザ・レール、意識した方に進んでいくステアリング、路面の凹凸に丁寧な対応を見せるアシは確かに秀逸だ。しかし、そのおかげでタイヤが得をすることはないというのがわたしの見解である。

エンジンは2000?の4気筒でハンドルは左。購入後、11カ月で1万kmほど走行した。その間に2度のオイル交換と、2万kmに一度の定例儀式とされるATF交換を実施。そして、ファルケンのユーロウインターHS449にタイヤを換えた。

 

例えば、伊勢湾岸道や新名神高速で出会うジャンクションのカーブをなかなか良い速度で走り抜けるのだ。そこまで数百kmも走ってきたオールシーズンタイヤであることを考えると、欧州ブランドならではのハイスピード走行の安定感が、このHS449に確かに受け継がれていると実感する。

もちろん、西日を追いかけるように走った首都高湾岸線の直進性もたいしたもの。

静粛性をもっと売りにしている静かなタイヤは存在するだろう。しかし、障らないのである、耳に。実用車向き、一本でオールマイティ、というこのタイヤの性格を考えると評価に値するポイントではないか。路面の継ぎ目をたたく音も、マイルドに吸収するショックも、実に心地良い。

この夏は、雨の中をラグナで走る機会も多い。
 

気になる雨、そして雪

大きな被害もすでに出ている雨だが、出先で豪雨に見舞われることは少なくない。そんなときの排水、グリップもしっかりとした印象だ。

ひと昔前のウインタータイヤ、スタッドレスタイヤで雨の中を走行すると、心もとない足元に不安が増したものだが、ああいう頃のタイヤとは一線を画しているのがよく分かった。

14インチから18インチまで揃えるユーロウインターHS449。ラグナのタイヤサイズ、195/65R15もラインナップする。

 

全方位という強み

「通年を通じてほどほどのタイヤ」ではなく「このタイヤで通年おまかせ」。ユーロウインターHS449とはそんなタイヤではないか。

ひどいアイスバーン、深い豪雪では、最新のスタッドレスタイヤにかなわない面もあるだろう。サーキット走行に耐えるほどのグリップがあるかといえばそれは違う。けれども、全方位的に頼もしい。しかもこのまま雪のシーズンにも突入できるのは、煩わしさや経済面でのメリット以上に、安心できる部分なのである。

このクルマで春先の大雪を経験した筆者。冬用タイヤ規制でも通行できるHS449が、予期せぬ降雪でものをいった。サイドウォールにはM+S(マッド&スノー)の刻印と、欧州で冬用タイヤと認められるスノーフレークマーク。

 

もちろんオールシーズンタイヤであるから、ここで結論として手放しで称賛することはできない。

年明けにチェーン規制の高速道で体験した雪上走行レポートはまた改めたいが、オールシーズンは「どっちつかずのタイヤ」という認識は大いに改めるべきだし、筆者自身改めることができた。



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