中国では古く隋王朝の時代から公正な試験によって優秀な人材を集めようと「科挙」制度が始まった。一時中断されていた時代もあるが、20世紀の清王朝まで続けられていた制度だ。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国では古く隋王朝の時代から公正な試験によって優秀な人材を集めようと「科挙」制度が始まった。一時中断されていた時代もあるが、20世紀の清王朝まで続けられていた制度だ。

 科挙に通れば地位も名声も財産も得られるとあって、賄賂やカンニングといった不正は後を絶たなかった。現代の中国では科挙は廃止されているが、それでも試験に伴う不正行為だけは後を絶たないようだ。

 中国メディア中青在線はこのほど、「中国留学市場が信用危機に陥る」と題した記事を掲載し、2015年9月に行われたアジア地区の大学進学適性試験(SAT)において大規模な不正行為が行われた可能性を指摘した。

 記事は、SATの採点結果は15年11月に発表される予定だったものの、主催者側から受験生に4週間程度発表が遅れると連絡があったと述べ、その理由として「アジア太平洋地域のSATにおいて、過去の問題が使われた」ことを挙げ、「問題漏えいやカンニング行為が行われた可能性がある」と伝えた。

 多くの学生は真面目に勉強し、真剣に試験に臨んだことだろう。しかし、14年度の試験においても韓国や中国では大規模不正という「前科」があったため、2年連続で試験の公平性に問題が浮上したことは、中国人全体に対する信用問題になりかねない事態とも言える。

 記事は最後に「学生や仲介業者は責任を免れられない」と述べた後、主催者が過去の問題を用いたことや過去問題がインターネット上で閲覧可能であることを非難した。しかし、試験に過去問題と類似の内容が扱われることは良くあることであり、不正ではない。主催者側を非難するのはお門違いであり、不正を行った側の罪を薄める目的でもあるのだろうか。

 過去の科挙試験も含め、いつの時代の試験においても完全に不正を根絶することは不可能だろう。しかし、中国メディアが不正行為を甘く見るようでは今後も改善を期待できないばかりか、中国人に対する信頼を高めることもできないだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)