そうなの!? 答えていい寝言といけない寝言「はっきりした寝言:OK」「ムニャムニャ:NG」

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■寝言は、睡眠のサイクルと関係していた

人は睡眠中、「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」という、2つのサイクルを繰り返しています。「レム睡眠」とは、脳が覚醒状態に近く、眠りが浅く、「ノンレム睡眠」とは、脳が深く休んでいて、意識がない深い睡眠のことです。

寝言の内容は睡眠の種類によってちがいます。寝言を言うのは、体だけ眠っていて脳は起きている「レム睡眠」のときがほとんどです。このときは、聴覚やそのほかの感覚も起きているので、外からの刺激に反応してしまいます。つまり、このときに話しかけられると、それが脳に届いて返事をしようとするのです。

■はっきりとした言葉の寝言になることも

レム睡眠時は、交感神経が完全に休んでいます。口を動かす筋肉や、声出す声帯も、十分に動かすことができない状態になっています。そのため、むにゃむにゃむにゃ……と、よく聞き取れないような寝言になることが多いのです。

いっぽうノンレム睡眠時は、大脳は休んでいますが、体のほうは寝返りを打ったりして自由に動きます。ノンレム睡眠時は、骨格筋の緊張が保たれているため、唇や喉の筋肉がしっかりと動くことができます。つまり、はっきりとした言葉の寝言になるのです。

■寝言に話かけるのは、脳のストレスになる

多くの寝言はレム睡眠のときに現れます。つまり、浅い睡眠時です。そのレム睡眠時の寝言に対して話かけてしまうと、脳がさらに覚醒してしまう可能性があります。脳が覚醒するということは、睡眠の質に影響を与えてしまうので、寝言に話しかけるのは避けるべきです。脳の眠りが浅い状態のレム睡眠時は、体は寝ていてもあまり休めていない状態なのです。意識は寝ているものの、相手の返答に対して返事をしようとしていまいます。そのため、脳が休むことができなくなり、さらに浅い眠りとなってゆっくりと休めなくなってしまうのです。

逆に、ノンレム睡眠時の寝言に対しては、話しかけても大丈夫でしょう。それは、レム睡眠と違って、大脳が深く休んでいるためです。

■まとめ

何を言っているのかわからないような、むにゃむにゃとした「レム睡眠時の寝言」に対して、相手に話かけないようにしましょうね。

(36歳女性内科医/Doctors Me)

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