インディーズバンド電気ウナギ「曲に対する評価は大衆に任せるべき」
日常で感じる劣等感と素朴な嬉しさのような感情を盛り込んだ彼らの率直な歌詞を聞いて、電気ウナギのメンバーたちを「負け犬」と表現した記事が非常に多い。しかし、果たして本当にそうだろうか? 彼らの多くは名門大学を卒業しているが、学歴による輝きや先入観より“音楽”で評価されたいと思っている、考えが深くてスマートな若者たちだ。電気ウナギの音楽はトレンディーなサウンドとは距離がある。一瞬で魅了される音楽でもない。華やかなギターソロも、ずば抜けた歌唱力も探しにくいためだ。しかし、そんな彼らの音楽は電子音やストリングセッションなど人為的なサウンドを排除し、素朴なバンドサウンドそのもので魅力をアピールする。2011年、1枚目のEPアルバム「充電」と2012年3月、2枚目のEPアルバム「最新流行」を発表した。この2枚のEPアルバムはバンドの存在やアイデンティティを知らせたが、音楽的な構成は多少散漫だった。そのため、彼らが初めて登場した時、現在のような成果を予想した人々はあまりいないだろう。しかし、中毒性が強い彼らのウェルメイド(完成度の高い)な音楽は口コミで徐々に広く知られ始めた。
韓国大衆音楽で“男女相悦之詞”(セクシーなラブソング)が人々の関心から外れたことはない。最近、ヒットしている大衆音楽の歌詞を見ると、“私”が中心となっている情けない日常を描く曲がトレンドとなっている。この流れからも外れていない彼らの音楽は、同世代には愉快な感性で近づき、30代にとっては疾風怒濤の時期を思い浮かべさせる軽い雑談のように思える。「最高の恋愛」は果たしてどんな恋愛だろうか? 切なくて純粋な愛を「最高の恋愛」だと定めた彼らのアルバムは、インスタント式の愛が溢れている今の軽い時代的な情緒を覆す一種の転覆だ。また、簡単に叶えることができないため、生きていく原動力を提供する希望のパラドックスになることもある。
彼らは自分たちの創作曲に関する説明や紹介をあまり口にしない。曲に対する評価は大衆に任せるべきと思っているためだ。大きな成果を生み出した1枚目のアルバムが世の中に出てから、6ヶ月が過ぎた。活発なコンサート活動を行っている中、2枚目のアルバム作業も並行している。果たして、2枚目はどのような感じになるだろうか? 1枚目の音楽はクラブでコンサート活動を行いながら、できあがるまま、頭から出てくるまま、といった自然な印象が強かったが、次のアルバムはこれまで学んできたものもあり、要領も得たため、1枚目のアルバムよりはより成熟なサウンドになりそうだ。彼らはキム・イェスルとファン・インギョンが曲のソースを作ってくると、演奏しながら話し合う過程を通じて曲を完成させている。その時、意見を調整する過程で対立が生まれることもあるが、ぶつかることで新しいものが出ることもあるという。1枚目のアルバムは大学卒業の頃、将来への不安が心の中に広がった状態で作った曲がほとんどだ。2枚目のアルバムは1枚目のアルバムの後にすべてが変化したため、考えや感情がきっと違うであろう。苦境にある若い世代の日常を、本音を盛り込んで共感を形成した彼らの音楽がこれからどのように変化し、進歩していくだろうか。今後が期待される。
電気ウナギ
【1期】
キム・イェスル(ギター)1987年6月18日生まれ、江原道・洪川出身
ファン・インギョン(ボーカル/ギター)1985年5月14日生まれ、全南・光州出身
カン・ヒョンジョン(ドラム)
イム・ジヒョク(ベース)
【2期】
キム・イェスル、ファン・インギョン
キム・ナヨン(ベース)1987年9月11日生まれ、ソウル出身
キム・ミンヒョク(ドラム)1982年2月25日生まれ、全南・光州出身
DISCOGRAPHY
2011年5月「充電」(EP)
2012年3月「最新流行」(EP)
2012年10月「最高の恋愛」(1st フルアルバム)
経歴および受賞
2011年 SSAMZiE SOUnD FeSTiVAL―隠れた高段者(月光高段者)に選定
2012年4月 1st フルアルバム NAVER MUSIC「今週の発見」、Daum Music「今月のアルバム」に選定
2012年6月 Daum Music 今月のインディーズ有望株に選定
2012年 韓国コンテンツ振興院の新人ミュージシャン育成・支援プロジェクト「K-ROOKIES」の年末決戦で優勝
2013年 第10回韓国大衆音楽賞「今年の新人賞」、ノミネート
