聖地・少林寺…“欲ボケ混乱”で観光地の資格取り消しの危機
仏教、とりわけ禅宗の聖地であり、武術の伝承でも名高い少林寺だが、国家が認定する「5A級旅遊景区(5A級観光スポット)」取り消しの危機に直面している。管理レベルがあまりにも低く、違法送迎車、所かまわぬ物売り、文化財の危機的状況など、目に余る混乱があるからという。中国新聞社が報じた。
少林寺の所在地は、河南省鄭州登封市だ。中国の全国旅遊景区品質等級評定委員会は、2011年、全国の「5A級観光スポット」の覆面調査を実施した。河南省内の対象は3カ所だったが、すべて「基準に達していない」との評価だった。うち「少林寺景区」は最低の評価だった。
観光客に直接関係する指摘だけでも◆無秩序な駐車◆無許可の送迎(白タク・白バス)◆所かまわず営業する露天商◆押し売り◆僧服を着た者の無許可の占い営業――など、数え切れないほどの問題があった。
さらに、「観光サービスセンターの規模が小さすぎ、混乱している」、「医務室では医師も医薬品も不足」、「休息所が不足」、「ごみが捨て放題」などの問題もある。
歴代の高僧の墓であり歴史資料として価値が高い「塔林」も、多くの観光客に踏み荒らされて草木がなくなり、保存上の脅威になっている。
「評定委員会」は2011年12月4日、少林寺景区に対して2012年3月末を期限とする改善要求を通知した。改善がみられない場合には「5A級観光スポット」の認定を取り消すという。
少林寺周辺の観光地は、香港に拠点をおく中国大陸企業の港中旅集団公司が出資する港中旅登封公司が経営している。同社に対しては「コスト削減、利益創出しか考えていない」との批判がある。人件費を圧縮するため「職員の休日出勤禁止」、「勤務開始は午前6時」、「有給休暇は認めない」などで、人員も不足しており、まともな管理は望めないという。
一方、港中旅登封公司は「経営状態は良好」と説明。2010年の来訪者は前年比30%増しで売上高は約5割増の1億7000万元。2011年の来訪者は20%増で売上高は約20%増の2億元だった。利益は09年が1000万元、10年は3200万元、11年は3810万元だったという。
同社幹部のひとりは、港中旅登封公司が経営を始める前、少林寺景区には巨大な負債が存在したと説明。経費節減は返済のためで、「過去2年間で、観光地としての資産の質は格段に改善した」、「現在は(企業として)スリムになった良好な状態」と主張した。
「観光地の質の問題」については、「長期にわたり残されてきた問題だ。当社の問題でもある」などとして、「現在は、発展計画にもとづき、たゆまず改善をしている」と述べた。(編集担当:如月隼人)
