未経験からWebデザイナーに転身!今北舞さんの仕事術【左脳をシゲキするエンジニア】

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100年に一度とよばれる不景気は、キャリアアップを目指すエンジニアにも大きな打撃を与えているが、このような時代でも新しい世界に飛び込み輝いているエンジニアたちがいる。輝いているエンジニアからは、技術だけでなく仕事術や生活スタイル、生き方から多くのことが学べるはずだ。

今、輝いているエンジニアたちは、仕事や生活とどのように上手につきあっているのだろう。

今回は、右脳をシゲキするWeb Designer Inspire Nightイベントも好評だった新進気鋭のWebデザイナー 今北舞 さんに、左脳をシゲキする仕事術を伺ってみよう。

■なぜ ファッション業界からWebデザイナーに
今北舞さんは、前職でファッション関係のお仕事をしていたという。まずは、ファッション関連業種からWebデザイナーに転職した理由から伺ってみよう。
「以前の会社はファッションショーの制作会社で、私はPRを担当するセクションに在籍してました。クライアントは外資系や国内ブランドで、タレントのアサインや雑誌タイアップなどの提案をしていました。

当時の仕事も新しいことが経験できましたので楽しかったのですが、進行や管理という業務ではなくゼロからものを作る仕事がしたいという欲求や不満が私の中にあったんです。また、上司や会社に守られているという感じも強くあって、自分の力だけで何かを作りたかったんです。今考えると世間知らずだったとは思うんですけど、当時はそういう気持ちが強くあって転職を決意したんです。24歳の時でした。」

●なぜWebデザイナー職を選んだの?
「Webデザイナーを目指したのは、元々iMacとか使ってHTMLを書いてページを作っていたこともあり、Webが一番ゼロから形にできる仕事じゃないかと思ったんです。それにWebの仕事は作品を目で見たり、使ったりできるので、自分が作った実感を持てると思ったんです。」と、語ってくれた今北さんだが、転職を決意した当時は未経験者だ。彼女はどのように転職活動をしたのだろうか。

■デメリットをメリットへ! 人としての魅力を失わない転職
さて、転職活動だが、当時の今北さんはWebデザインの業務経験は当然なかった。一般にWeb業界では経験者が優先されるケースが多いわけだが、未経験という難題をどうやってクリアしたのだろうか。

デメリットをメリットへ 今北舞さん

「まず目指す会社の規模を決めました。会社の規模は大きすぎず、小さすぎない会社ということで、10〜50人規模の会社を目指しました。自分の仕事や成果が見える職場としては、10〜50人規模の会社が適していると思ったからです。小さすぎてはプロジェクト全体を受注できないし、大きすぎるとプロジェクトの一部しか担当者は関われないからです。」

●未経験というデメリットはどう解決したの?
「未経験であることは事実なので、そこは開き直って『自分は何もできないことを逆にアピールして、そのかわりスポンジのようにどんどん吸収して成長できます』って、未経験であることをアピールしようと思ったんです。
そうしたら運良くロクナナで採用していただきまして、今にいたっています。」

未経験の今北さんを採用したロクナナの上田氏に当時のことを伺ってみた。
「ちょうど(ロクナナが)採用を強化していたこともあるんですが、今北さんは文章や意見もしっかり書けていたので、とりあえず面接をしてみたんです。
Webデザインの仕事で技術は確かに必要なのですが、技術は後からでも覚えられるんです。ロクナナではエンジニアの育成もしていたこともあり、技術より人として成長できる資質があるかとかのほうが重要だと思っているのです。それに今北さんは普通の人が経験できないこと(ファッション関係の仕事)を経験してきているので、それらがデザインという仕事に役立つと思ったんです。」と、今北さんを採用した経緯を語ってくれた。

■未経験Webデザイナーの奮闘記 - 自分を知る・仕事を知るコミュニケーション
さて、未経験ながらWebデザイナーとして転職した今北さんだが、転職後は上手くいったのだろうか?

「転職した時、ロクナナは大きな仕事の受注前だったこともあり、実際の作業に入るまで時間があったんです。
直ぐに仕事しろといわれても、当時の私は何もできなかったのですけど……。

最初にいわれたのが『フラッシュスクリプトで、じゃんけんゲームを作れ。』でした。当時の私は何もできないのに『何でゲームなんか作るの?』なんて、不満とか持っていたんですけど、後々ゲームを作らされた意味がわかったんです。ゲームの中には、Webデザインで必要ないろいろな要素がたくさんあったんです。当時の私はゲーム作成が仕事の役に立つとは理解してなかったんですね。」と、照れくさそうに当時の自分を振り返ってくれた。

照れくさそうに当時の自分を振り返る今北舞さん

そうこうしながらも本格的なWeb制作の仕事に取り組むことになる今北さん。初のWeb作業はどうだったのだろう。
「最初のWeb制作に参加した仕事は会社としてもキャパオーバーくらい大きな仕事だったんです。もちろん、私はまだ見習いみたいなものでしたから、ディレクターは私でも作業ができるようにとお膳立てをしてくれたてたんですが……。
Web制作は各作業のフローや進行スケジュールなど、工程管理が大切な仕事なんですが、当時の私は自分のことだけで精一杯で全体の仕事が理解できてなかったんです。その上、与えられた作業の出来映えもパッとせず、仲間のムッとする視線を感じつつ仕事してました。」と、当時の自分を振り返った。

●Webデザイナーという仕事を理解できたのは、いつ?
「当初は自分の何が駄目なのかがわからないという一番悪いケースだったのですが、3〜4か月あたりからWebデザインの仕事というものが徐々に理解できるようになってきたんです。作業の流れや仕事の進め方といったところが少しずつわかってくると、デザイン作業で壁がまってました。当時の私は、自分のデザインに対して中途半端感を常に感じていたんです。そんなとき、デザインを見直すきっかけをもらったんです。」

●今北さんが迎えたデザインの転機とは?
「ちょうど年1回の社員面談があり、面談で私のデザインは『がさつ』だといわれたんです。私の感覚はデザイナーよりディレクター向きだともいわれました。つまり細かいところまで、配慮や工夫ができてなかったんです。
そういわれても、ものつくりができるデザイナーを目指して転職したのであきらめる気はなくて、勉強し直すきっかけになったと今でも思っています。」

●今北さんは、どうやってデザインを勉強したの
「やっぱり、作っては人に聞くという繰り返しですね。先輩や同僚に作っては見せて意見を聞くことが一番でした。職場の先輩や同僚に恵まれていたこともあるんですけどね。

『引いた時の緻密さ』と『寄った時の緻密さ』って違うじゃないですか、文字表示と画像表示では1pixelの持つ意味も重みも違うわけで、そうした1pixelの重みを先輩たちから教えてもらいました。それとデザインの仕事が電卓叩いて1pixelを計算する仕事だってこともです。」と、今北さんは懐かしそうに答えてくれた。

●デザインアイディアはどういったところから思いつくの?
「美術展にはよく行きます。先日も万華鏡の展覧会にいったのですが、意外にも政治的なメッセージが凄く強かったのに驚きました。美術作品には様々なメッセージが隠されているので、そのメッセージを見つけだしてデザインに役立てるようにしています。」

●女を棄てない! あきらめない!
仕事場で気をつけていることを聞くと、意外な答えが返ってきた。
「仕事場で気をつけているのは、女らしさです(苦笑)。Webデザインの仕事してると、一緒に仕事する周りの人が女性と思ってくれないんですよ。なので持ち物とか、小物とかに気を配って、なるべく女性を忘れないようなチョイスをするようにしています。今使っているノートもフィンランド製でちょっと高いのですが、お気に入りのデザインのものを使うようにしてるんですよ」

女を棄てない!小物にこだわる今北舞さん

■ピンチを切り抜ける仕事術と日々の準備
現在は第一線でバリバリ仕事をされているWebデザイナーの今北さんだが、仕事上ではトラブルは常につきまとうものだ。今北さんは、どのようにピンチを解決しているのだろうか。

●意見の違いは、はじめの軌道修正が大事
もっとも難しいクライアントと意見が違った場合について伺ってみた。
「クライアントにも2系統あると思います。一つは、プログラマ思考のクライアントで、こちらは緻密な設計を提示されます。もう一つは、企業の意向をより多くいれることを要望するクライアントです。
どちらの場合でも、実際に使うユーザーにどう見えるか、ユーザーが本当に使いやすいのか、という視点を大切にして複数の対案を出すようにしています。必ずクライアント案と自分の案を出して、交渉することが大切ですね。」

時には最初から無理な要望や企画が持ち込まれることもある。その時はどうするのだろうか。
「無理なオーダーの場合、これはディレクターと最初のヒアリングで代替え案を提示するなどして対処しますが、思い切ってWebで展開する必要性についてまで提案することもあります。Webでの展開がすべてではないケースもあるわけですから。どちらにしても、初期段階でクライアントとの意見の食い違いを解消するため、十分なヒアリングとストーリーの確認が大切ですね。」

●ピンチにあわてないために
またピンチを切り抜けるには、日頃の準備が大切だと今北さんはいう。
「ピンチは大変ですけど楽しめるぐらいでないと駄目ですね。あと、ピンチにものをいうのは作業のスピードです。トラブルでは必ず作業が遅れますので、そのしわ寄せは現場の作業にくるからです。作業バッチなど、空き時間の中で自分を助けるツール作りやテクニックの研究は、ピンチの時に凄く役立ちますね。」

■褒め殺しに弱い? 仕事でうれしいと思う時

褒め殺しに弱い?今北舞さん

今北さんは、仕事上でどんな時にうれしいと思うのだろうか。ズバリ聞いてみた。
「ほめられることが好きなので、ほめられた時ですね。」と直球の返事が返ってきた。どうやら今北さんは、ほめられて成長するタイプらしい。

「あとクライアントが満足していただいた時ですね。成果に満足していただき、打ち上げとかお祝いの席を設けていただいた時などは、この仕事ができてよかったと思えます。

Web制作は、それぞれの分野の担当者がチームを組むのでチーム間でのいさかいがおきることもありますが、良い作品ができた時はうれしさがこみ上げてきます。お互いがぶつかりあって経験と信頼を積み上げられることがこの仕事の楽しいところなんだと思っています。」

■今北舞 さんの夢
今北さんに、将来の夢を聞いてみた。
「長くデザイナーをやっていたいですね。子供を抱えながらデザインとかしたいんです。生活とデザインを区別しないで一緒の場で関わっていきたいです。そして、おばあちゃんになってもデザイナーでいたいんです。年をとったら、年齢を重ねたなりの多様なデザインができると思うんです。自分を主張するタイプのデザイナーではなく、周りと調和できるデザイナーになれたらと思ってます。」

今北さんは、地域や人との調和の中でプランニングやデザインを提案をして、コミュニケーションがとれるデザイナーへの夢を語ってくれた。

最後に自分自身のキャッチコピーは?と質問してみると、

「やりすぎ」と即答された。

今北さんは、自分を称して「やせずき」「食べ過ぎ」「大きすぎ」と、何でも、ついやりすぎてしまうのだそうだ。

どうやら、このやりすぎるくらいのバイタリティが今北舞さんのパワーの秘密なのかもしれない。

右脳をシゲキするエンジニア特集

■これまでのWeb Designer Inspire Night
リアルをヴァーチャルに!新進デザイナーの伝えるデザイン
Vol.1 エスカフラーチェLLC 山田あかね
Vol.2 寺井周平

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