矢野経済研究所は、国内のベビー関連ビジネス市場を調査し、ベビー用品、ベビー関連サービスの各分野別の市場動向、参入事業者の動向、将来展望を明らかにした。その結果、2025年のベビー関連ビジネスの市場規模は前年比2.0%増の4兆6570億円に達した。需要層減少の影響で多くの分野が伸び悩みとなるも、補助金の増額による保育園の伸長によって市場全体はプラス推移を維持するとみられる。

2025年のベビー関連ビジネスの市場規模(主要5市場計)は前年比2.0%増の4兆6570億円と推計した。国内では出生数減少(データ出所:厚生労働省「人口動態統計」)によって需要層が減少している中、市場の大半を占めるベビー関連サービス(主に保育園)の伸長がベビー関連ビジネス市場全体の成長を支えている。主要5市場別に見ると、ベビー関連サービス(主に保育園)と育児向け出版物・乳幼児向け玩具が前年比で増加、ベビー用品・育児用品、ベビー用食品、ベビー用衣料品は減少した。

ベビー関連サービス(主に保育園)は利用園児数の減少に伴い伸長率は鈍化しているものの、少子化対策や子育て支援に向けた公的資金の継続的な投入の影響などによって増加となった。育児向け出版物・乳幼児向け玩具は既刊本やロングセラー絵本の根強い人気に支えられ、知育玩具については、乳幼児期からの知能などの発達に対する関心が高く、また親子で一緒に遊ぶことができるコミュニケーション手段としても商品展開があることから、安定した需要によって堅調な推移となった。一方、ベビー用品・育児用品、ベビー用食品、ベビー用衣料品は、一部の分野では価格改定(値上げ)によって伸長が見られたものの、出生数減少による需要層の縮小の影響を受け、概して減少傾向であった。

原材料価格の高騰などを背景とする価格改定(値上げ)の影響によって、分野によっては増加に転じる動きが見られる。

ベビー用品・育児用品市場のうち、ベビー用紙おむつは、2020年以降、数量ベースの減少(データ出所:経済産業省「生産動態統計」)に伴い減少傾向にあったものの、価格改定(値上げ)の影響によって金額ベースでは2024年に増加に転じ、2025年も微増で推移したものとみる。哺乳瓶・乳首についても、出生数減少による影響を受けてはいるものの、機能性の高い付加価値商品による単価上昇や主要事業者による価格改定の影響によって、2025年については引き続き拡大したものとみる。知育・乳幼児向け玩具分野は、少子化が進行している中でも、乳幼児期からの知能などの発達に対する関心の高さなどから堅調な需要に加え、原材料価格の高騰による価格改定の影響もあり、安定した推移を見せている。2026年においても、引き続き原材料価格の上昇に加え、製造・物流コストも上昇する可能性が高まるなか、事業者による更なる価格改定の動きが予想されることから、分野によっては増加推移を予測する。

出生数減少や少子化(すべてデータ出所:厚生労働省「人口動態統計」)の影響を強く受けて、全体的にベビー関連ビジネス市場(主要5市場計)は大きな成長が見込みにくい状況が続く見通しである。当面は少子化対策や子育て支援に対する公的資金の継続的な投入によるベビー関連サービス(主に保育園)の拡大に支えられ、ベビー関連ビジネス市場全体は微増ながらもプラスでの推移が見込まれる。ただし、ベビー関連サービス(主に保育園)においても出生数減少や少子化の影響により利用園児数が減少傾向にあるため、先行きは見通せない状況にある。

ベビー関連ビジネスの参入事業者各社はさらなる高付加価値商品の開発・投入による需要拡大の促進や大手事業者を中心とした海外需要に対する取り組みの強化を図ることで、国内の需要層減少の影響をいかに最小限に抑えられるかが課題であるものと考える。

[調査要綱]
調査期間︓1月〜3月
調査対象︓ベビー・マタニティ・子育て支援関連事業者各社
調査⽅法︓同社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・e−mail等によるヒアリング調査、ならびに文献調査併用
[発刊日]3月27日(金)
[体裁]A4 381ページ
[小売価格]16万5000円(税込)

矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp