2026年5月7日、翻訳ツールを提供するDeepLが、従業員約250人を解雇する決定を下しました。CEOは「私のキャリアの中で最も難しい決断でした」と伝え、背景にはAIの台頭があると付け加えました。

An important update on DeepL | LinkedIn

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DeepLはディープラーニングによる翻訳機能をいち早く提供してきた企業です。ヤレク・クティロウスキーCEOによると、DeepLはほとんどの企業がAIについて考え始めるよりもずっと前の2017年からAIを構築しており、人々が言語に邪魔されることなく自分自身を表現し、協力して働けるべきだという信念の下で業務を進めてきたとのこと。

そして、AIが全世界的に浸透する中で、CEOは「AIと効果的に働くには、より小さく、より大きな影響力を持ち、責任範囲が明確なチームが必要になる」という考えを持つようになったとのことです。クティロウスキーCEOは「階層を減らし、意思決定を速め、大規模なチームを鈍化させる無数のやり取りに費やす時間を大幅に減らせる」として、約250人の解雇を決定したと伝えています。

クティロウスキーCEOは「今どのような仕事が存在し、誰が行い、うまく行うためには何人必要なのかを考える点で、大規模な構造変化の真っただ中にいて、その変化の原因はAIです。この技術は、組織の構築方法、価値の生み出し方、そして競争するとはどういうことかを変えています。ほとんどの企業は変化が来ることを感じ取っていますが、真の意味で行動した企業はほとんどありません。今変化を実行する企業こそが、次の10年を定義することになります。待つ企業は、その10年を追いつくために費やすことになるでしょう」と付け加えました。



クティロウスキーCEOによると、社内ではすでにAI変革が進行中で、プロダクト探索やエンジニアリングから、パイプライン構築、顧客サポートに至るまで影響が及んでいるとのこと。クティロウスキーCEOは「AIにより、本当に重要な仕事へより多くのエネルギーを注ぎ、これまでにないスピードで前進できるようになります。そして、繰り返し発生する障害や日々の非効率性を取り除いていきます。製品開発、顧客獲得など、あらゆる顧客との連携をAI中心に据えて根本から再考していきます」と話しました。

この発表の直前、DeepLは有料会員に対し、「今後は自社サーバーのみでのデータ処理は行わない」と通知し、Amazon Web Servicesと提携することを明らかにしています。

4月16日にはリアルタイム音声コミュニケーション向けの翻訳サービススイート「DeepL Voice-to-Voice」を発表。さらに音声翻訳スタートアップのMixhaloを買収し、サンフランシスコにオフィスを開設して、「次の言語のフロンティアとなるリアルタイム音声翻訳」を大きく前進させると伝えています。

DeepLがリアルタイムの音声翻訳スイート「DeepL Voice-to-Voice」をリリース - GIGAZINE