日本人選手の獲得が噂されるリーズ。(C)Getty Images

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 田中碧が所属するリーズは、今季限りでスポルティングとの契約が満了となるMF守田英正の獲得に近づいているようだ。ポルトガルのメディアでは「原則的にはすでに決まっている」とも伝えられている。

 また、フェイエノールトのFW上田綺世やバイエルンのDF伊藤洋輝にも関心を寄せていると報じられており、今後さらに日本人がリーズにやってくる可能性がある。

 なぜ、イングランドの古豪は“日本化”を画策しているのか。

 その理由の一つに田中がクラブに与えた影響は小さくないだろう。彼はリーズにとって、ある程度の成功例と言える。彼はリーズが2部優勝&プレミア昇格を果たした昨シーズンに大きな影響力を発揮した。今季は評価を下げる時期があったとはいえ、再び定位置を取り返し、チームで重要な役割を担っており、ファンからは愛され続けている。

 また、3月には日本代表がウェンブリーでイングランド代表を1−0で下した。これはプレミアリーグやチャンピオンシップ(イングランド2部)のクラブやスカウト陣に、日本人選手のクオリティの高さと層の厚さを証明した出来事だったと思う。かつて日本人選手といえば「一生懸命プレーする選手」と見なされていた。しかし今ではチームの成功に貢献できる「単なる選手」以上の存在として認識されているのだ。 
 
 そして日本人選手がクラブに良い影響を与えられるのはピッチ上だけではない。リーズのようなプレミアの中位から下位に位置するチームは特に、収益面についても考えなければならない。

 選手を安く獲得し、高い移籍金で売却すること。その良い例としてブライトンの三笘薫を見てみよう。彼は移籍金約250万ポンド(約5億円)でブライトンに加入した。現在の市場価値はその10倍ほどに達しているはずだ。

 日本人選手が加入すれば、日本人ファンによる現地での試合観戦やグッズ購入など、追加収益をもたらす側面もある。

 また香川真司がマンチェスター・ユナイテッドに在籍していた時、クラブは複数の日本企業とのスポンサー契約を結ぶことができた。現在、遠藤航がいるリバプールに日本のスポンサーがついていることも決して偶然ではない。

 そのようにクラブが日本人選手を獲得するメリットはいくつか考えられるが、その理由は年月を経て変化している。かつては、日本人選手を獲得する主な理由はピッチ外でのメリットにあった。しかし、今ではその状況が逆転している。現在、日本人選手はピッチ上で発揮できる能力そのものが求められており、ピッチ外でのメリットは二次的なものとなっているのだ。

文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)

著者プロフィール
スティーブ・マッケンジー/1968年6月7日、ロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでプレー経験がある。とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からのサポーター。スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝した。現在はエディターとして幅広く活動。05年には『サッカーダイジェスト』の英語版を英国で出版した。

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