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人口3万人、うち半数が65歳以上の高齢者という大分県豊後大野市。のどかな山あいの町で去年、高齢男性を狙った連続不同意性交事件が発生しました。この事件で起訴された42歳の中国籍の男が、21日の初公判で起訴内容を認め、動機や手口について語りました。

【写真を見る】「日本の人は笑顔だったから」中国籍の男が高齢男性狙い不同意性交 「14人に試みた」被告が語った手口と動機

短髪にジャージ姿で出廷

不同意わいせつ、不同意わいせつ未遂、不同意性交等の罪で起訴されているのは、豊後大野市に住む中国籍の会社員の男(42)です。

被告は去年11月から12月にかけて市内で70代男性に対し、同意しない意思を形成する暇を与えずに、わいせつな行為をするなどした罪に問われています。

21日、大分地裁で開かれた初公判。身長160センチ前後のやせ型、短髪にジャージ姿の被告は、通訳を介して「間違いありません」と起訴内容を認めました。

検察官の冒頭陳述で浮かび上がったのは、地域の善意を逆手に取った卑劣な手口でした。

家族のため単身来日「試みたのは14人」

中国で生まれ育った被告は、20歳ごろから自身の性的指向が高齢男性に向いていることを自覚。36歳ごろインターネット上で高齢男性同士の性的な動画を見たことをきっかけに、自分もしてみたいという欲求を抱き始めました。

被告は妻と子2人がいますが、「子どものために金を稼ぎたい」と豊後大野市で農場を営む兄夫婦を頼り、技能実習生として単身来日しました。

(被告人)「道端で会釈すると、日本の人は笑顔で会釈を返してくれた。だから犯行しようと思った」

来日から2か月、一人暮らしに慣れてきた9月頃から自宅周辺を散歩したり、軽トラックを走らせたりして近所を物色し、犯行を試みるようになりました。

(被告)「試みたのは14人。日本で落ち着いてやりたいようにやれた。半数くらいはわいせつな行為ができたと思う」

マッサージ装い…わいせつ行為

犯行は一瞬。道端で高齢男性が1人でいるのを見つけると、日本語で「元気ですね、おいくつですか」「私マッサージ得意です」と言って肩をもみ始めます。被害者は最初、厚意かと思っていましたが、被告の手は徐々に下腹部に移動。

その瞬間、ズボンのチャックをおろしてパンツのすそから手を滑り込ませ、わいせつな行為に及びました。

(被告)「初対面は怖がらせてしまうのでマッサージをしていた。拒まれないなら良いのかなと思ってしまった」

相手が抵抗した時点で行為を止め、すぐに立ち去るようにしていたといいます。

「初対面の人に股間をもまれるなんて…」

事件が明るみに出たのは去年12月。被告は「体調が悪い」と兄夫婦に言って仕事を休んで散歩に出かけたところ、高齢男性を見かけ、わいせつな行為に及ぼうと考えました。

男性が1人になったところを見計らって近づいて声をかけて、肩や腰をもみました。男性は厚意でマッサージをしてくれたと思って身をゆだねていましたが、被告がズボンの上から下半身に触れてきました。被告は男性が嫌がっていると感じて行為を止めて逃げました。

男性は警察に対し「初対面の人に股間をもまれるなんて忘れたいと思ったが、ほかの人がもっとひどい目にあうかもしれないと思った」として相談しました。

5日後の19日、警察が現場付近で男性と話していると、偶然通りかかった被告に遭遇。警察が被告に「誰かにマッサージをしてないか」と職務質問すると――

「あの人にマッサージした」

被告はあっさり認め、逮捕・起訴に至りました。

被告の妻は「帰るまで待つ」

弁護側は事実関係は争わず情状酌量を求め、情状証人として被告の兄の妻が証言台に立ちました。

(被告兄の妻)「義弟の仕事ぶりは真剣でした。去年11月から頭痛い、体きついと言って休みが多くなった。まさか悪いことをしていると思わなかった」

中国にいる被告の妻に伝えると「帰るまでずっと待ちます」と離婚しない意思を示しているということです。

被告人質問では小さな声でたどたどしく反省の意思を見せますが、あいまいな受け答えが続きました。

(弁護人)「今後はどうするか?」

(被告)「何をするにも相手の同意を前提にする。もうしない。まじめに働いて責任果たす」

検察官の質問に「されるのは嫌だ」

(検察)「自分はわいせつな行為をしたいけど、されるのは嫌?」

(被告)「嫌いというわけではない。触られるのはいいが、それ以上のことをされるのは嫌だ」

(検察)「じゃあ相手も嫌だったと思わない?」

(被告)「…。」

(検察)「スマートフォンに性的な動画があるが、見るだけじゃ満たされなかった?」

(被告)「動画を見て影響された、満たされなかった」

裁判は即日結審。検察は論告求刑で、「常習的犯行の一環であり卑劣で悪質。ほとんどの場合、途中で嫌がられたと供述しているのに犯行に及んでいることから、再犯を防止するには徹底した矯正教育が必要」として、拘禁刑6年を求めました。

弁護側は「実質的に自首していて、母国を離れた環境ですでに4か月拘束され、反省していることから寛大な判決を求める」と情状酌量を求めました。

被告は最後に小さな声で「被害者に申し訳ない。できれば許してもらいたい。申し訳ありませんでした」と話し、初公判を終えました。

判決は、5月19日に言い渡されます。