ドンキがオリンピック買収でスーパー再編が加速…「安いだけの店」が生き残れない理由
◆5社によるオリンピック争奪戦の勝者に
オリンピック創業者の次男である金澤良樹氏が2025年9月5日に逝去。同年5月の新人事で金澤良樹氏は取締役会長となり、代表からは退いていました。代表取締役社長には大下内徹氏が就任しています。オリンピックの2025年2月末における筆頭株主は株式会社カネヨシ。この会社は金澤良樹氏の資産管理会社です。
今回のM&Aにおいては、みずほ銀行を通じた入札プロセスを実施。PPIHを含めて5社が入札をしています。オリンピックには、イオン系列のフジが大株主に名を連ねていました。最終的には株式価値に対する評価や業容拡大に繋がる施策、企業再編ストラクチャー等の比較検討を行った上で、PPIHに決まりました。
ただし、買収額は250億円前後と見られています。オリンピックの純資産額は210億円、手持ちのキャッシュは46億円であり、決して高い評価額を提示しているようには見えません。ビジネスパートナーとして最適であると判断したことが大きかったのではないでしょうか。両社が良好な関係で再スタートが切れれば、迅速なシナジー効果が生まれることにも期待ができます。
◆インフレ下で魅力を失った小売店
オリンピックは店舗全体の2/3が東京都内にあります。首都圏の店舗は「ドン・キホーテ」や「MEGAドン・キホーテ」等への転換を計画中。関東圏を中心とした店舗は「ロビン・フッド」への転換を見込んでいます。
「ロビン・フッド」は2026年4月24日に1号店をオープンする新業態。PPIHは成長戦略に食品の強化を掲げており、新業態はそれを体現するブランドです。加工食品や日用品などを、PPIHが得意とするディスカウント価格で提供するというもの。「食品強化型ドンキ」と言える新形態の店舗です。調理の手間を省いた半加工の食材の他、税抜78円のおにぎりや、税抜198円で好きな天ぷらを自由に組み合わせる店舗内に設置されたセルフ式のうどんコーナーなど、総菜も充実しています。
食品特化型のディスカウントストアに脅かされるのがコンビニ。すでに集客には苦戦をしており、2026年2月期のセブン&アイ・ホールディングスの国内コンビニ事業の営業利益は4.7%の減少でした。コンビニはデフレ下で利便性を武器に集客に成功していましたが、インフレ下では相対的な価格差に負けてしまい、スーパーやドラッグストア、ディスカウントストアに客を奪われています。
高値で販売できる自動販売機も同様。ダイドーグループは2万台の自動販売機を撤去。コカ・コーラボトラーズジャパンや伊藤園も自販機事業は苦戦しています。「ロビン・フッド」のようなディスカウントストアは、コンビニや自販機から離れた消費者の受け皿となるでしょう。
◆ヤオコーは台風の目となるか?
