スーパーマーケットも明暗が分かれています。2026年2月期のイオンのスーパーマーケット事業の営業利益は前期比15.5%の減少。都市部に出店する「まいばすけっと」は1323店舗にまで出店を拡大し、増益に寄与しているものの、「マックスバリュ」などのスーパーマーケットはやや苦戦しています。

イオン傘下にあるスーパーマーケットでは、プライベートブランドのトップバリュの品揃えを充実させて消費者にお得感を醸成しています。しかし、スーパーはそもそも来店させることこそが重要。その店にしかない魅力がなければ、人を集めることができません。いくら割安商品を陳列して広告を出しても、安さを求めるだけであればディスカウントストアやドラッグストアに客が流れてしまうからです。

生鮮食料品や食品、総菜の独自性や充実度、鮮度、そうした要素に安さが加わって、はじめて集客へと結びつきます。スーパーマーケットはターゲットを絞り込み、売場にテーマ性を持たせなければ勝てない時代に入りました。独自性を持たせられないブランドは淘汰される時代。安さだけをセールスポイントにする店は、「ロビン・フッド」のようなディスカウントストアに客を奪われることになるでしょう。

新時代を見据えたかのような動きをしたスーパーがあります。ヤオコーです。2025年10月に持株会社ブルーゾーンホールディングスを設立。文化堂と「クックマート」のデライトホールディングスを傘下に収めました。ヤオコーは埼玉県地盤のスーパーマーケットで、地域密着型の売り場づくりで人気を集め、36期連続の増収増益という堅実な経営を続けてきました。

ヤオコーは、M&Aで仕入れを統合することによるスケールメリットは追求せず、地域密着型の経営を貫くといいます。これはイオンのような巨大企業の戦略とは異なります。食品を扱う小売店の群雄割拠が激しさを増してきました。インフレという新たな時代の生き残り策に注目です。

<TEXT/不破聡>

【不破聡】
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界