ANA(全日空)

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 全日本空輸は国内線を対象に、燃料価格に応じて運賃に上乗せする「燃油サーチャージ」を2027年度に導入する方向で検討に入った。

 中東情勢の悪化で燃料価格が高騰しており、価格転嫁しなければ大幅な収支悪化を招くと判断した。乗客の負担増が利用減少につながる恐れがあり、全日空は慎重に制度設計を進める。

 国内線の全路線を対象とし、算定方法や具体的な導入時期は今後検討する。新たなシステムの導入に時間を要するとみられる。

 全日空は05年、国際線で燃油サーチャージを導入した。燃料価格の高騰を転嫁するため、20日には5月発券分から大幅に引き上げると発表している。

 国内線は航行距離が比較的短く、運航コスト全体に占める燃料費の割合が小さいことから燃油サーチャージを導入していなかった。しかし、燃料高を受け、親会社ANAホールディングスの芝田浩二社長は1日、国内線で導入の是非を含めた検討を進めると明らかにしていた。

 国内線で燃油サーチャージを導入しているのは、フジドリームエアラインズ(静岡市)だけだ。名古屋(小牧)と山形や高知を結ぶ便の5月発券分で前月の4倍となる2800円に引き上げた。日本航空とスカイマークは国内線で27年春にも導入する方針だ。

 国内線事業は近年、物価高や円安で人件費や整備費が膨らみ、収益が悪化している。国土交通省によると、空港使用料の減免など公的支援を除いた場合、全日空や日航など国内主要6社の国内線事業は25年3月期に実質的な営業赤字となっていた。燃料高が苦境に追い打ちをかける。

 航空各社が国内線に燃油サーチャージを導入するまでの期間について、金子国交相は21日の閣議後記者会見で「運賃値上げなどの対応を検討せざるを得ない状況だと聞いている」と述べた。