壁にぶち当たる佐々木朗希の問われる真価 「日本でほぼ無敵」だった変化球は“諸刃の剣”に「メジャーの打者は賢い。軌道を見極められている」

ロッテ時代からスプリットで異彩を放った佐々木(C)Getty Images
どうすれば、改善できるのか。佐々木朗希(ドジャース)を巡る答えは、いまだに出ていない。
ルーキーイヤーから暗中模索の日々が続いている。右肩のインピンジメント症候群にも悩まされた昨季は、チームとしても勝負所であった真夏にマイナー降格を経験。ピッチング・ディレクターであるロブ・ヒル氏との試みたフォーム改善の公開もあって秋口にメジャー再昇格をし、ポストシーズンのロースター入りこそ果たした佐々木だったが、与えられた役割は本職とは異なるリリーバーだった。
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迎えたドジャース移籍2年目の今年は、開幕前から先発再挑戦を決意。4シームとプリットに加えて勝負できる“第3の変化球”に磨きをかけるなど、メカニックの調整を粛々と続けてきた。
ただ、実戦の場でどうにも歯車が噛み合わない。4試合に登板したオープン戦を防御率13.50、WHIP2.70、被打率.310、与四球率12.15という散々な内容で終えた24歳は、先発ローテに入ったレギュラーシーズンでも調子は上向かず。ここまで3登板で、防御率6.23、WHIP1.85、与四球率6.92、被OPS.887と、相手打線を圧倒できずにいる。
課題は山積している。その中でとくに気になるのは、1年目に冴えていた“伝家の宝刀”スプリットで勝負できなくなっていること。
回転数(26年は平均581回転)が極端に少なく、効果的に投げ切れれば、「テーブルから物が落ちるような落差」と称されるほどの変化を生む佐々木のスプリットは、被打率こそ.176と悪くはない。
だが、打者のコンタクト率は65.9%と低くなく、さらにストライクゾーン内に投球した場合に当てられる割合は76.9%にまで上がる。加えて被長打率も.412で、仮に狙い打たれれば、あっという間にピンチを招きかねない諸刃の剣となっている。
その佐々木の誇った魔球の現状を米記者も厳しい眼で見る。米版『Yahoo! Sports』のジェイク・ミンツ記者は「コントロールさえ良ければ、今も素晴らしい球種」と前置きした上で「しかし、メジャーリーグの打者は賢い。ササキの手から離れた瞬間から地面に落ちるまで、球の軌道をしっかりと見極められている姿が目に付く」と指摘。「膝を震わせるようなスプリットを投げ、日本でほぼ無敵と言えるほどの投球を見せていたピッチャーは存在するのだろうか」と疑問視した。
無論、ここまでの不振はスプリットだけが原因ではないだろう。ただ、「魔球」をどう強打者たちのバットを翻弄する水準にどう戻すか。壁にぶち当たった佐々木にとって重要なポイントとなるのは言うまでもない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
