傾斜地でミスしない方法とは?普段からできる練習方法を公開
「ゴルフ場は練習場のように平らではない!」大なり小なり地面が傾いている“傾斜”がスコアを増やしてしまう原因のひとつ。しかし、その傾斜「練習場でもトレーニングできます」と樋口貴洸コーチ。ゲーム感覚で傾斜への対応力を上げる練習法をレッスンする。
実戦を想定した練習をしないとスコアはよくならない
ゴルフ場でのショットは、練習場のように「スクエアでフラット」な環境で打つことはほとんどありません。スイングの動きを直したり、確認したりするときはフラットでスクエアな環境を利用してもいいですが"実戦(ラウンド)向けの練習をしているか”が、上級者と一般アマチュアの大きな違い。とくに、完全に平らなところが少ないコース内の傾斜に対応する練習は、ぜひ行なってほしいです。
その練習はレンジの打席でも"傾斜もどき”を作ればできます。いつものマットから打つ単調なショットが、ラウンドをしているかのような実戦向けの練習になるのでマンネリ化しない。ゲーム感覚で楽しみながら上達してください!
ゴルフ場の傾斜地割合を調査すると・・・・・・
●調査対象
プロゴルファー22名
ラウンド時の合計953ショット
1~10度の傾斜でショットしている割合 約80%
全ショットの平均斜度 4.6度
※参考文献:エビデンスGolf 鈴木タケル、ショット編 VOL.14、EvidenceGolf
ゴルフ場に「平ら」はほぼない!
傾斜への対応力が本番力に直結する
日々の練習から"ラウンド中”を想定!「ランダムトレーニング」を行なおう
同じ環境で同じ動きを繰り返し、動きの基礎や"定型”を作るのに適しているのが「ブロックトレーニング」。それに対して、形や動きを一定にせず、つねに状況を変えながら行なうのが「ランダムトレーニング」で、瞬間の対応力を養うのに適している。次回から"傾斜への対応力を上げる"ランダムトレーニングのノウハウをレッスンする
練習場でできる!まずはベースの”対応法”を知ろう
傾斜地ショットの基本4選
傾向:体とボールが近くなるのでダフりやすい
練習法:グリップを短く持つ
体と地面が近くなったぶんだけグリップを短く握る。クラブの実質的な長さが短くなって飛距離がいつもより落ちやすいので、番手はひとつ大きめのものを選ぼう
傾向:スイング軌道が傾向フラットになりヒッカケやすい
練習法:フェースを少しオープンにセット
ボールの位置が通常よりも高めにあるので、そのぶんスイング軌道もフラットになる。インサイドから入射するとヒッカケのミスが出やすいので、アドレス時からフェースを少し開き、右へ打ち出すイメージをもつ
傾向:体とボールが遠くなるのでトップしやすい
練習法:スタンス幅を広げて重心を落とす
通常のショットよりもスタンス幅を広げることで自然と重心が落ち、ボールに近づくことができる。スタンス幅を広げると同時に、ヒザを曲げる量も増やす
傾向:上体のみがボールに近づき、スイングプレーンがアップライトになってしまう
練習法:背骨の角度は通常のアドレスと変えない
腰を折って体とボールの位置を近づけるのはNG(×)。背骨の角度は通常のアドレス時と変えず、腰の位置を落としていくのがポイント
体の重心の変化を体感するのが第一歩
レンジでの傾斜練習のポイントは「その傾斜へ行ったときの重心位置を”みずから"作る」こと。ツマ先上がり・下がりの練習なら両ツマ先、もしくは両カカトを浮かせることでその状況を疑似します。このアレンジだけでも体の重心位置が動くので、当然スイング軌道やインパクト時のライ角に影響が出てきます。
この”影響”をどのように中和するのかを考えることが「傾斜練習」の意義そのもの。代表的な”中和法”はこのページの説明どおりですが、クラブの動き(スイング軌道)を本能的に変えて対応したくなるプレーヤーもいて、それはそれで正解。そのアドレス時の重心ポジションでどのように打ちたくなるのか、自分と対話しながら練習してほしいです。
傾向:クラブの最下点が右に寄るのでダフりやすい
練習法:ボール位置を右、フェースオープンでドローを打つ
体の軸が右に倒れ、クラブがインサイドから入る、かつスイングの最下点が中心より右にズレやすい(×)。ボールをつかまえやすいスイング軌道になるので球筋はドローでOK。フェースをオープン気味に構え、ボールを右から回すイメージをもつ
傾向:入射の入り口が狭いのでボールへのコンタクトが難しい
練習法:ボールを右に置いてクリーンヒット
体の軸が左に倒れ、スイングの最下点がボールの中心より左にズレやすい。それに合わせてボールも左に置きたいが、ヘッドが入射する側の地面が高いため、いわゆる”間口”が狭い。ボールを右に置いてクラブとボールのコンタクトを早めよう
プレーヤーから見て右側の地面が高くなっているのでダフりやすい。もっとも難しい傾斜タイプ
クラブの最下点を確認してから打つ
左足上がり・下がりの傾斜では、クラブの最下点のズレに気を配ってください。練習場でもラウンドでも、素振りをしてクラブと地面がコンタクトするポイントを確認してからショットしましょう。
そして、左足下がりはもっとも”トリッキー”な対応が必要な傾斜といってもいいかもしれません。クラブの最下点が左にくることを確認しつつ、入射の間口の狭さをクリアするために、最下点の手前でボールをとらえていく。クリーンなコンタクトが最優先なので、スイングはコンパクトに振り抜いていきましょう。
難ライからでも上手に打てる本能を養う
ポイントは重心のコントロール!「変なアドレス」での練習が”傾斜対応力”を高める
究極の目標は、どんな傾斜でもバランスよくクラブを振り抜き、フェースの芯でポールをとらえること。練習場ではさまざまな「変なアドレス」からショットしてみてください。そのスタンスをとったときの体の重心位置から、どうやったらバランスよくクラブを振り抜けるのか、そしそのときのクラブパスに対してフェースはどこに向けてセットすべきなのか。
いろいろ試していると、本能的に「このライはこうやって構えると”よさそう”」というのがわかってきます。僕のゴルフ仲間も生徒さんも、探求心をもって練習場でも”遊んでいる”人のほうが早くスコアアップしています!
ゲーム感覚でトライ&エラーを繰り返す
スタンスに変化をもたせながらスイングすると、当然、最初はミスが出る。そのとき、前回までで解説した基本の考え方を参考に「次はこうしてみよう」と試行錯誤を繰り返す。あらゆる状況に対しての想像力・対応力が格段に上がる
いかがでしたか? 傾斜地をマスターしましょう。
レッスン=樋口貴洸
●ひぐち・よしひろ/1997年生まれ、埼玉県出身。2025年にPGAティーイングプロA級を取得。東京都中央区のインドア施設「GOLF LOUNGE BeBe」の代表を務め、多くのアマチュアを指導中。
構成=石川大祐
写真=竹田誉之
協力=GOLF LOUNGE BeBe
