出社中にストロング缶3本、勤務中にも3本…「γ-GT 2410」で“死ぬレベル”と言われた20代編集者の末路
そして、彼らは強引に呼びかける。無視しても手を引っ張ってきたこともある。2020年代だぞ?
「どうすれば、このキャッチに声をかけられずに済むのか……」
そこで、そのキャッチたちでミチミチの通りを歩くときは、事前に500mlのロング缶を飲みながら歩くことにした。すると、向こうも「もう飲んでいるなら声かけられないな」と思ったのか、誰からも声をかけられなくなった。
ただ、毎晩飲みながら帰っていたため、あるとき若いキャッチに声をかけられた。
「おっす! スト缶のアニキ! 今日もうまそうに飲んでいますね」
それは、毎晩のようにストロング系を飲みながら歩いている球体みたいな体型の筆者である。逆にキャッチの人たちから顔を覚えられてしまったのだ。
◆「肝硬変になるような数字」にさすがにビビる
その頃、雑誌の仕事と並行して何気なく始めたライター業が当たった。そこからは、雑誌の編集者としての本業とライターという副業の両方を回さなくてはならなくなった。忙しさはさらに増していき、もはや「睡眠時間はいらない」と思ったほどである。そんなことをいいながら、過眠症なので10時間くらい寝るのだが……。
こうなってくると、時間と抱えている業務量に押しつぶされるようになった。平日は深夜まで雑誌の仕事に邁進し、週末も昼から晩までライターの仕事に精を出した。
そして、かねてからの悪癖だが、アルコール摂取をしながらのほうが、いい文章を書けている気がする……。そこで、夜にもう一踏ん張りするために、景気付けに追加で1本飲むようになった。
「19時に飲んでも、どうせ寝るのは2時とか3時だから、それまでには体内のアルコールも抜けているだろう」
夜遅くになるとオフィスからも人が少なくなるため、近くのコンビニで350ml缶を購入してがぶ飲みして、また仕事に戻る。すると、集中力と無精力が格段に上がるのだ。
「自分は今、酒の力ですごい文章を書いている! 俺って天才かも?」
単純に気分が高揚しただけであるが、確かに酒を飲むことで執筆は捗った。業務用のメールは打てない。
しかし、酒の力を借りなければ捌ききれない数の原稿の編集と執筆に追われていたのは確かだ。当初は夕方頃に1本飲んでいたのも、気が付いたら2本追加されていた。
当時はまだテレワークで会社もフリーアドレスだったため、社内にそんなに人はいない。また、飲酒しても顔が赤くなったり、人が変わるようなことがなかったため、コンビニで慌てて2本購入して飲み干したあとも、平気な顔をして会社に戻ることができた。
というのも、マスクのおかげである。以前、合コンで知り合った看護師から、こう言われたのだ。
「わたし、朝まで飲み歩いていることが多くて、翌日も酒臭いときがあるんですよ。でも、酒の匂いは口からしかしないため、マスクを付けていればバレません。わたしはそれで手術にも臨んでいます」
どうやら、筆者だけではなく、この社会を生きる人たちはみんなデタラメなやり方で仕事をしているようだ……。
しかし、実際にマスクをしていることで、勤務中に酒を飲んでいることはバレなかった。
それはそれとして、いよいよ毎日のストロング系の飲酒量が7本を超えた。すると、ついに29歳の健康診断でのγ-GTが600を超えてしまったので、ついに医者から「要治療」ということで呼び出された。普通だったら肝硬変になるような数字である。
ただ、このときも「前日に友人の結婚式で朝から晩までしこたま酒を飲んだのだから、それの影響だろう」と勝手に判断した。あとは、体重と脂肪肝もそろそろシャレにならなくなってしまったため、運動を勧められた。
