プログラマティック広告 後退の裏で、動画とイベントが存在感--出版社の収益地図はどう変わったか

記事のポイント
ダイレクトセールス広告は安定した主要収益源で、出版社の7割超が今後大きく注力すると答えており、依然として強い存在感を持っている。
プログラマティック広告やサブスクリプションは収益貢献が低下し、強化の意欲も後退するなど、市場の逆風が出版社の姿勢に影響している。
ブランドコンテンツやイベントなど「高収益層」の伸びは見られる一方、全体としては収益源の広がりが停滞し、構造転換の難しさが浮き彫りになっている。
ダイレクトセールス広告は安定した主要収益源で、出版社の7割超が今後大きく注力すると答えており、依然として強い存在感を持っている。
プログラマティック広告やサブスクリプションは収益貢献が低下し、強化の意欲も後退するなど、市場の逆風が出版社の姿勢に影響している。
ブランドコンテンツやイベントなど「高収益層」の伸びは見られる一方、全体としては収益源の広がりが停滞し、構造転換の難しさが浮き彫りになっている。
シニアメディアレポーターのサラ・グアリオーネ氏が12月に報じたところによると、多くの出版社はデジタル広告収益の成長を見せている一方、プログラマティック広告市場は引き続き苦戦している。
ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)やUSAトゥデイ(USA Today)、ジフ・デイビス(Ziff Davis)などは動画への再投資を計画しており、ピープル・インク(People Inc.)やニューズ・コープ(News Corp)などはAIライセンス契約を通じてプラットフォームからの収益拡大を模索している。
同時に、Digiday+リサーチはQ3に約40名の出版社関係者を対象に調査を実施した。以下は、各収益源について彼らが語った内容である。
もっとも強い収益源:ダイレクトセールス広告
調査結果は、デジタル広告に関するQ3の各社決算を反映するものだった。ダイレクトセールス広告は依然として出版社の主要な収益源であり、2025年Q3の時点で95%が「少なくともごく一部の収益」をダイレクトセールス広告から得ていると回答し、56%が「多い」または「非常に多い」割合の収益をこの分野から得ていると回答した。
Digidayの調査データによると、これらの割合は過去数年にわたり安定しており、今後6カ月間でどれだけこの分野を成長させようとしているかにも反映されている。調査に回答した出版社関係者全員が「少なくともごく小さくは」ダイレクトセールス広告に注力すると答え、約4分の3(72%)が「大きく」または「非常に大きく」注力すると回答した。
プログラマティック広告の苦戦が鮮明に
Digidayの調査結果は、プログラマティック広告市場の苦戦も浮き彫りにした。2024年Q3から2025年Q3にかけて、プログラマティック広告から「少なくともごく一部」の収益を得ていると答えた出版社の割合は86%から75%へと減少し、「多い」または「非常に多い」割合の収益を得ていると答えた出版社の割合も36%から25%へと低下した。
さらに、この分野を成長させる意欲も低下している。2025年は80%が「少しは注力する」と答え、2024年の84%から減少。今後数カ月に「大きく」または「非常に大きく」注力すると答えたのは37%で、2024年の47%から大きく後退した。
・出版社は昨年以降、収益源全体でほとんど伸びを示していない
Digidayの調査対象となった10の収益カテゴリすべてにおいて、「少なくともごく一部」の収益を得ていると回答した出版社の割合は、2024年Q3から2025年Q3のあいだで減少した。


動画広告の収益は「混在した結果」
動画広告(ブランドコンテンツやプリロール広告を含む)は、出版社によって評価が分かれる分野となっている。
動画広告から「少なくともごく一部」の収益を得ていると答えた出版社の割合は、昨年の91%から2025年は85%へとわずかに低下した。一方で、「多い」または「非常に多い」割合の収益を動画から得ていると答えた出版社は、昨年の18%から2025年は24%へと上昇した。
しかし、動画広告ビジネスの強化に向けた出版社の姿勢は後退している。2024年Q3には90%が「少なくともごく小さくは」注力すると答えていたが、2025年Q3には86%に低下。「大きく」または「非常に大きく」注力すると答えた割合は、昨年の41%から2025年は33%に減った。
AIライセンスの話題とは裏腹の結果:コンテンツライセンスと販売
パブリッシャーのAIライセンス契約に関するニュースが増えている一方、Digidayの調査によると、コンテンツライセンスや販売は出版社の収益において大きな割合を占めておらず、近い将来も大きく伸びる可能性は高くないようだ。
2025年Q3において、コンテンツライセンスから「少なくともごく一部」の収益を得ていると答えた出版社関係者は71%で、2024年Q3の72%からほぼ横ばいだった。さらに2025年、「多い」または「非常に多い」収益を得ていると答えたのはわずか6%で、昨年の11%から減少した。
また、この分野の強化に注力する出版社の割合も下落。2025年Q3には71%が「少なくともごく小さくは」注力すると答えたが、2024年Q3の83%から減少。「大きく」または「非常に大きく」注力すると答えたのは11%で、2024年の21%から大幅に落ち込んだ。
サブスクリプション:後退が目立つ
サブスクリプションに関するニュースは報道上あまり目立っていなかったが、Digidayの調査では出版社のサブスクリプション事業に大きな変化があることが示された。ただしポジティブな方向ではない。
サブスクリプションから「少なくともごく一部」の収益を得ていると答えた出版社関係者の割合は、2024年Q3の74%から2025年Q3には57%まで大幅に減少。「多い」または「非常に多い」収益を得ていると答えた割合も22%から18%へと下落した。
今後数カ月でサブスクリプション事業を強化する意欲も同様に低下している。昨年は83%が「少なくともごく小さくは」注力すると答えていたが、2025年は73%に減少。「大きく」または「非常に大きく」注力する」と答えた割合は、昨年の50%から2025年は33%まで大きく落ち込んだ。
・ブランドコンテンツ、イベント、動画、CTVは高収益層で成長
2025年Q3において、ブランドコンテンツから「多い」または「非常に多い」収益を得ている出版社関係者は38%で、2024年Q3の25%から大きく増加した。また、イベントから「多い」または「非常に多い」収益を得ていると答えたのは28%で、昨年の7%から急増した。


[原文:Digiday+ Research: Where publisher revenue stands with ads, video, content licensing and subscriptions]
Julia Tabisz(翻訳・編集:杉本結美)
