「より安全なデジタル空間を作ること」や「ヨーロッパ市場と世界の両方で、革新・成長・競争を促進するための平等な競争条件を確立すること」を目的として欧州委員会が導入を決め、2022年11月16日に発効した「デジタルサービス法(Digital Services Act:DSA)」の最初の指定対象が採択されました。大規模オンラインプラットフォーム17件と大規模検索エンジン2件、合わせて19件が指定されています。

DSA: Very Large Online Platforms and Search Engines

https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_23_2413



EU names 19 large tech platforms that must follow Europe’s new Internet rules | Ars Technica

https://arstechnica.com/tech-policy/2023/04/google-runs-5-of-the-19-platforms-that-must-follow-eus-new-internet-rules/



欧州委員会が発表した対象サービスは以下の通り。

◆非常に大規模なプラットフォーム

・AliExpress

・Amazon

・App Store(Apple)

・Booking.com

・Facebook

・Google Play

・Google マップ

・Google ショッピング

・Instagram

・LinkedIn

・Pinterest

・Snapchat

・TikTok

・Twitter

・Wikipedia

・YouTube

・Zalando

◆非常に大規模な検索エンジン

・Bing

・Google 検索

指定を受けた企業は4カ月以内に、DSAに基づいて定められた、オンラインユーザー保護のための新たな義務を順守する必要があります。義務の内容は以下の通り。

◆ユーザー権限の強化

・ユーザーは、特定の情報が推奨される理由について明確な情報を取得し、プロファイリングに基づく推奨システムからオプトアウトする権利を有します。

・ユーザーは、違法なコンテンツを簡単に報告できるようになり、プラットフォームはその報告を注意深く処理する必要があります。

・ユーザーの機密データ(民族・政治的意見・性的指向など)に基づいて広告を表示することはできません。

・プラットフォームは、すべての広告にラベルを付け、誰が宣伝しているのかをユーザーに知らせる必要があります。

・プラットフォームは、運営する加盟国の言語で、利用規約を簡単に理解できる平易な要約を提供する必要があります。

◆未成年者の強力な保護

・プラットフォームは、高度なプライバシー、セキュリティ、および未成年者の安全を確保するためにシステムを再設計する必要があります。

・子どものプロファイリングに基づくターゲティング広告は許可されなくなりました。

・メンタルヘルスへの悪影響を含む特別なリスク評価は、指定から4カ月後に委員会に提供され、遅くとも1年後には公表される必要があります。

・プラットフォームは、これらのリスクを軽減するため、インターフェイスやリコメンドシステム、利用規約などを再設計する必要があります。

◆より熱心なモデレーションと偽情報の減少

・プラットフォームと検索エンジンは、ネット上での違法コンテンツの拡散や、表現の自由・報道の自由への悪影響につながるリスクに対処するための対策を講じる必要があります。

・プラットフォームには明確な利用規約があり、それを誠実に、かつ非恣意的に実施する必要があります。

・プラットフォームには、ユーザーが違法なコンテンツにフラグを立て、通知に迅速に対応するメカニズムが必要です。

・プラットフォームは、偽情報の拡散やサービスの不正利用に対処するため、特定のリスクを分析し、緩和策を講じる必要があります。

◆透明性向上と説明責任の強化

・プラットフォームは、リスク評価とすべてのDSA義務に準拠していることが、外部から独立して監査されることを保証する必要があります。

・研究者に対して、一般に公開されているデータへのアクセスを提供する必要があります。将来的には、審査に合格した研究者のための特別なメカニズムが確立される予定です。

・プラットフォームは自社インターフェイスで配信されたすべての広告のリポジトリを公開する必要があります。

・プラットフォームはコンテンツモデレーションの決定とリスク管理に関する透明性のレポートを公開する必要があります。