光熱費の値上げが続き、金額に驚いている人も多いのではないでしょうか? 仕方ないと思いつつも、せっかくならばおトクに暮らしたいですよね。そこで、コンロ、お風呂、エアコンを使う時の、「どっちがおトク?」と迷うものをピックアップ。ENECHANGE株式会社が運営する電力·ガス比較サイト「エネチェンジ」の担当者に教えてもらいました。

調理で光熱費を節約できるのは、「IHコンロ」VS「ガスコンロ」

オール電化住宅をはじめ、IHコンロを装備しているキッチンが増えています。電気を使うIHコンロとガスを使うガスコンロでは、どっちが光熱費が安い?

【図】電気代とガス代のエネルギーコストの比較

●電気代とガス代のエネルギーコストの比較

単純に1kWh当たりのエネルギーコストを比較すると電気が26.48円、都市ガスが13.07円と電気が都市ガスの倍以上に。電気の方がエネルギーコストがかかる分、IHコンロの方が光熱費は高くなります。

●同じ熱量を発熱するのにかかるコストを比較するとガスコンロがおトク

コスト的にはガスコンロの方がおトクですが、IHコンロにはガスコンロにはない使い勝手のよさがあります。
いちばんは安全性。炎が出ないので、調理中に衣服やふきんなどに炎が燃え移る心配はなし。また天板がフラットなので掃除も簡単。鍋のふきこぼれも調理中にふき取れます。なにかと便利なIHコンロは、電気料金プランを見直すことでおトクに使うことができます。
ポイントは、よく使用する時間帯の電気代が安くなるプランを選択すること。料理をつくる時間帯は家族が在宅していて電気を使う時間帯でもあるので、この時間帯が割安なプランがおトク。エネルギーの自由化以降、新電力会社が多く登場しています。電気とガスをセット契約にするとおトクになる場合もあるので、見直すことで光熱費が安くなる可能性大です。

お風呂のお湯は「入れ替え」VS「追い炊き」

ガス代を節約するために、お風呂の残り湯を「追い焚き」している人は多いはず。でも、それって本当に節約になっている? 残り湯を使わずに給湯でお湯を入れるのと、どっちがおトク?

●残り湯の温め直しの方がガスの消費量が少ないので、追い焚きがおトク!

【ガス代の算出式】

お風呂にためるお湯の量×(お風呂のお湯の設定温度−水道水または残り湯の温度)÷ガスの消費熱量×ガスの単位料金

一般的なガス給湯式のお風呂で、毎日お湯を入れ替えるのと、入れ替えは2日に1回で、2日目は追い焚きで温め直すのとでは、どちらが光熱費の節約になるか? 答えはズバリ! 追い焚きで温め直す、です。
理由は、上の算出式で示すように、お風呂の設定温度と水道水(入れ替えの場合)、または残り湯(追い焚きの場合)との温度差が、給湯器の消費熱量を左右するから。温度差が大きいほど、熱量を多く消費してガス代がかかります。通常、残り湯の方が水道水よりも水温が高いので、残り湯を追い焚きした方が、消費熱量が少なくてすみ、ガス代の節約になるというわけです。また入れ替えの場合には、水道代もかかり、さらに割高に。たとえば水道水と残り湯の水温差が5℃の場合、残り湯を追い焚きした方が、水道代も含めて1か月で約964円(※)安くなります。この差は水道水と残り湯の水温差に比例するので、残り湯の温度を下げないことがポイント。お湯に保温アルミシートをかけてから、浴槽にフタをするなどの工夫でさらにおトクになります。

浴槽にためる湯量200L、ガスの消費熱量8000kcal/㎥(都市ガスの燃焼量10000kcal/㎥に給湯器の熱効率を鑑みた場合)、ガスの単位料金130円、上下水道代1L当たり0・24円、1か月(30日間)、毎日入れ替えした場合と、入れ替えは1日おきで2日目は追い焚きした場合の比較

エアコンを使用するとき、「エアコン単体」VS「扇風機やサーキュレーター併用」

エアコンだけで冷暖房するのと、扇風機やサーキュレーターを併用して部屋の空気を循環させながら、室内を涼しくしたり暖めたりするのとでは、どっちが電気代を節約できるのでしょうか?

●冷房の場合はエアコンと扇風機の併用がおトク

エアコンの運転中に扇風機を上側に向けて回すと、空気が攪拌されて冷気が部屋に行き渡り、設定温度を上げても快適になります。エアコンの温度を1℃上げると電気代が約10%カットでき、月約388.8円の節約に。扇風機の電気代は月約259・2円なので、エアコンの温度を1℃上げて扇風機をつければ部屋も涼しく、約130円おトクです。

消費電力600Wのエアコン、40Wの扇風機を1日8時間使用した場合

●暖房の場合は エアコンとサーキュレーターの併用がおトク

暖かい空気は部屋の上部にたまるので、サーキュレーターを併用して空気をかき回せば室内を効率よく暖められます。1か月の電気代はエアコン約3888円、サーキュレーター約259.2円。エアコンの温度設定を1℃下げると約10%節電でき、1か月で約388.8円の節約になります。サーキュレーターの電気代と比べて約129.6円の節約になるので、設定温度を1℃下げてサーキュレーターを併用した方がおトクなことに。

消費電力600Wのエアコン、40Wのサーキュレーターを1日8時間使用した場合

 

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