6月3日、東京ドームで今季初黒星を喫した佐々木朗希(写真・時事通信)

 6月3日、東京ドームでおこなわれた読売ジャイアンツ戦に千葉ロッテマリーンズ佐々木朗希投手(20)が登板したが、5回5失点で今季初黒星を喫した。

 佐々木は、4月10日の本拠地・ZOZOマリンスタジアムでおこなわれたオリックス・バファローズ戦で13者連続奪三振の日本新記録、1試合19奪三振の日本タイ記録とともに、プロ野球28年ぶりの完全試合を達成していた。

 その後も4月17日の本拠地での日本ハムファイターズ戦で8回に降板するまで “完全” を継続。6月3日の巨人戦まで、打たれた本塁打はゼロという快投を続けていた。

 日本球界のエースとなりつつある佐々木だが、初黒星を喫したのが東京ドーム。完全継続後に初めてヒットを打たれたのはオリックスの本拠地・京セラドーム大阪とドーム球場だったことで、インターネット上では “屋外球場専門” を疑う声が上がっている。

《明らかに佐々木朗希はドームが苦手だ。きっと彼のスケールを受け止めるにはドームは小さすぎるのだろう》

《俺が思うのは佐々木朗希は屋外の方が強いと思うな》

佐々木朗希から5点取って土つけた巨人さすが! ドームに弱いって特徴あるものの》

 本拠地・ZOZOマリンスタジアムについては、最近、ロッテの歴代エースたちが興味深い発言を続けている。

 5月22日に放送されたTBSラジオ『日本生命 presents 石橋貴明のGATE7』に登場した野球評論家の黒木知宏氏(48)は、ZOZOマリンスタジアムの風がもたらす投球への影響について「基本的に向かい風」と話し、その仕組みを語った。

 海に隣接するZOZOマリンスタジアムは風速10m以上の風が吹く球場として知られるが、センターから吹いてきた風がバックネット側にぶつかることで、吹き返しが起こる。すると、マウンド付近では向かい風状態になるという。

 黒木氏は「返ってくる風にボールをぶつける」イメージで投球していたと明かす。

 時折、レフトからライト方向に風が吹いたときは、スタンドにぶつかった風がマウンド上にいる投手の左から吹く状態になるそうで、「自分は右ピッチャーなので、カーブとか曲がる球にちょうどぶつかるんですよ。そうすると曲がる」と明かしていた。

 アンダースローで活躍した渡辺俊介氏(45)も、YouTubeチャンネル「フルタの方程式」に出演した際に、「マリンの風ってバックネットに当たって下で跳ね返ってくるんです」と前置きし、地面に近いほうが風が強く、アンダースローで下から投げる渡辺氏の緩いスピードのストレートは強い風にぶつかって “曲げなくても曲がる” と話していた。

 野球ライターはこう話す。

「佐々木の前に19奪三振を記録した野田浩司氏も、1995年のマリンスタジアムのロッテ戦での登板でした。野田氏も佐々木も決め球の変化球はフォークです。

 野田氏の19奪三振のときも『風に当たってフォークが横滑りした』という証言がありましたが、佐々木のマリンスタジアムでのフォークも『よく落ちる』と評判なんです。

 すべてが球場のおかげとは言えませんが、風の影響があることは確かでしょう」

 ちなみに、佐々木が将来目指しているとされるメジャーリーグは、本拠地30カ所のなかで、ドーム球場は2カ所だけ。メジャーなら、よりいっそう “無双” を観られるかもしれない。