【1,066人が回答】車が高くなる原因?至れり尽くせり「運転支援技術」は必要?
MOBYでは以前にアンケート機能「CarQ」を用いて「運転支援機能が必要だと思いますか」というアンケートを実施。2022年5月4日現在までで1,066人の方々にご回答をいただきました。
【アンケート結果】約34%の人は運転支援機能が必要でない
自動運転という最終目標に向かって、現在の車には高性能な運転支援機能がどんどん追加されています。さらに2021年11月には自動ブレーキの搭載が義務化され、ゆくゆくは道路に設定された制限速度以上が出せなくなる自動速度抑制機能の義務化も検討が進められています。
ユーザーにとって便利で安全な機能が選択できるのは嬉しい限りです。しかし義務化となもなると、メーカーも車体価格の底値を引き上げざるを得なくなります。また速度抑制機能は、車の運転に閉塞感をもたらす懸念があります。
「運転支援機能が必要だと思いますか」というアンケート調査をMOBYのアンケート機能「CarQ」で行ったところ、投票者数合計1,066人(2022年5月4日現在)のうち、「必要だと思う」と答えた方の人数は556人(52.16%)でした。
一方で「不要だと思う」と答えた方は360人(33.77%)。「どちらとも言えない」と答えた方が150人(14.07%)という結果になりました。
事故を抑制し、ドライバーの疲労軽減にも寄与する運転支援機能であるのにもかかわらず、不要と考える人の割合が意外にも高いことがアンケート結果から判明しています。なぜこのような結果になったのかを運転支援機能のデメリットを軸に考えてみましょう。
運転支援機能に隠された2つのデメリット
先進技術を駆使した運転支援機能は、メリットばかりが取りあげられがちですが、その一方でデメリットもあります。
■機械である以上、誤作動のおそれがある
ひとつは誤作動です。
運転支援機能はセンサーで得た情報をもとに、車に何らかの制御を加えることでヒューマンエラーを防ぐ働きをします。しかし機械である以上、条件によっては誤作動を起こす可能性が一定割合で残っています。
国民生活センターの調査では、衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)が搭載され始めた2012年以降、運転支援機能を搭載した所有者2,000人のうち24.5%が、予期せぬ急減速や停止などの自体に陥り、そのうちさらに24.8%が車や障害物への接触などの物的損害を被った経験があるとのことです。
とくに自動ブレーキは事故抑制に大きな貢献を果たす反面、誤作動を起こしたときの影響も大きくなります。年々精度は向上しているものの、場合によっては路上で車が急減速することもあり、追突される危険性をはらんでいます。
■車両価格や整備費用の高額化
自動ブレーキは2021年11月から搭載が義務化されたため、それ以降はレスオプションも選択できなくなりました。それは実質的な車両価格上昇とともに、整備費用の高額化ももたらします。
運転支援機能の装置は非常に繊細であるため、センサーのわずかな位置や角度のズレが誤作動につながります。とくにセンサーがバンパーに搭載されている車は、些細な接触でもセンサーの位置を調整し直さなくてはなりません。運転支援装置のセンサー等を調整するエーミング作業には1~2万円ほどの費用がかかります。
また2024年10月からは定期車検と同時に、運転支援装置の目に見えない故障に対応するためのOBD車検の実施も義務化されます。
OBD車検とは、運転支援装備やその他制御系が正常であるか確認をするために電子診断ツールを用いる検査であり、対象となるのは2021年10月1日以降に登場した新型国産車です。
検査費用は400円とわずかな上昇であるものの、もし機器でエラーコードが確認されれば、車検不合格となるため故障箇所に応じた修理をしなくてはなりません。
やや強引な言い方をすれば、運転支援機能搭載車を所有するということは、誤作動により事故を起こす可能性があるものに、わざわざ高い費用を支払って維持しなくてはならないということです。これでは運転支援機能が不要と考える人がいるのも当然といえるでしょう。
「運転支援機能が必要だと思いますか」というアンケートへの解答は、以上の懸念を如実に表した結果になっていると思われます。
それでも運転支援装備のおかげで事故は減っている
しかし、運転支援装備のおかげで事故が減っているのも事実です。2016~2018年末までの3年間で集められた公益財団法人 交通事故総合分析センターのデータによると、自動ブレーキ搭載前と後を比べると事故率は52.9%も減少しています。これは安全運転の啓発活動だけではなし得なかった結果です。
また、前走車に自動追従するアダプティブクルーズコントロールは高速移動の疲労低減に効果的です。そう遠くない将来義務化されるであろう自動速度抑制機能も、速度超過による事故の抑制に大きく貢献するとともに、自動ブレーキとの併用でさらなる事故率の低減が期待できるでしょう。
それに加え、メルセデス・ベンツが近々リリース予定の自動運転レベル3「DRIVE PILOT」は、自動運転中の事故は自社が責任をもつと発表しており、完成度の高さに並々ならぬ自信が伺えます。
世界は確実にテクノロジーによって事故を抑え込む方向へと進んでいます。そして、要不要に関わらず、この流れはもはや変えることができません。しかし完全無欠の自動運転車が登場するまでには、まだまだ長い時間が必要です。それまでは半自動運転とも言うべき運転支援機能を正しく理解し、上手く使いこなしていく必要があります。
■完全自動運転普及までの過渡期を譲り合いの精神で乗り越えよう
幸いなことに人間には、現在の運転支援機能より汎用性に優れたセンサーと、柔軟な判断を下せるコンピュータが頭部に備わっているため「かもしれない運転」と呼ばれる予測運転が可能です。
自動ブレーキの誤作動による急減速や、速度抑制機能の誤作動で加速しない事態がどうしても起こってしまうのなら、「前の車が装置の誤作動により急減速するかもしれない」「加速しないかもしれない」という情報を新たにインプットし、周囲が運転支援装置の誤作動を事故に発展させない運転をすればよいだけです。
そのためには十分な車間距離の保持が大切です。運転支援機能が普及しても、結局のところ安全運転の方法は昔も今も何ひとつ変わっていません。
とはいえ人間は、機械に比べ判断処理速度が遅く、機械以上に安定性に欠ける欠点があります。そして、運転支援機能や自動運転は人間の弱点を補うために生み出されたものです。機械への依存でも、拒否でもなく、ほどよい距離感を保って共存していくことが今後しばらくの自動車社会における命題といえるのではないでしょうか。
