定番モデルから「完璧な1台」まで、おすすめのレコードプレーヤー9選
レコード鑑賞の最大の魅力は音ではない。物理的な体験だ。光沢のある繊細なレコード盤、大きな字で書かれたライナーノート、額に入れて飾りたくなるジャケット。溝が刻まれた盤面を針がなぞり、まるで魔法のようにお気に入りのアーティストの音楽が再現される様子──。
「定番モデルから「完璧な1台」まで、おすすめのレコードプレーヤー9選」の写真・リンク付きの記事はこちらアナログレコードのLPや45回転盤を聴くことに興味はあったとしても、何から始めたらいいのかわからない人もいるだろう。レコードをもっていたとしても、それを再生するレコードプレーヤーをもっていない人もいるかもしれない。単にプレーヤーを買い換えたいというだけの人もいるだろう。
それでも問題ない。アナログレコードプレーヤーの選択肢はたくさんあり、そのほとんどは手もちのオーディオシステムに簡単に接続できるからだ。
そこで今回、実際にいくつかの製品を試してみた。実用的で財布に優しい定番モデルから、音にうるさいオーディオマニアも満足する高級モデルまで、おすすめのレコードプレーヤーを紹介していこう。

初心者におすすめ
オーディオテクニカ「AT-LP120XUSB」
オーディオテクニカの「AT-LP120XUSB」(日本未発売)は、初心者向けレコードプレーヤーとして最も代表的な製品だ。理由はいくつかある。音がよく、つくりが頑丈で、より高性能なコンポーネントへのアップグレードも簡単にできる。
このUSB対応モデルを個人的に気に入っているのは、コンピューターに直接つないで、レコードをMP3ファイルにリッピングできるからだ。希少なレコードをいい状態で保存しながら、曲を楽しむことができる。
またLP-120はフォノプリアンプを内蔵している。レコードプレーヤーの出力信号を増幅して、最新のステレオシステムやパワードスピーカー、ヘッドホンで聴けるようにするコンポーネントだ。
1970年代から80年代の古いステレオシステムにはフォノアンプが搭載されているものも多いが、デジタルステレオやスマートスピーカーなど、現代のオーディオ機器にはほとんど搭載されていない。このためレコードプレーヤーにプリアンプを内蔵することで、どの時代のステレオにも対応できるようにするわけだ。標準的なRCA端子(赤と白)、またはUSBポートに接続すれば、すぐに使える。

予算が限られている人に
オーディオテクニカ「AT-LP60XBT」
たまにしかレコードを聴かない人、あるいは予算にまったく余裕がない人は、同じオーディオテクニカのレコードプレーヤーのなかでも、Bluetoothに対応した安価な「AT-LP60XBT」をおすすめしたい。お気に入りのBluetoothスピーカーと簡単にペアリングできるので、配線が問題になる人にも最適だろう。
フォノプリアンプを内蔵しているので、ステレオにつないでアナログならではの最高の音質を得ることもできる。Bluetooth経由で送信される音はすべてデジタル変換されているので、“最高”の音は期待できないかもしれない。しかし、たとえワイヤレス接続であったとしても、AT-LP60XBTの音質はほとんどの初心者たちにとって十分なものだろう。
【Amazon.co.jpで購入】

洗練されたデザインが好みなら
Fluance「RT81」
Fluanceの「RT81」(日本未発売)は音も素晴らしいのだが、個人的にはもっとシンプルな理由で気に入っている。とにかく美しいのだ。価格は手ごろだが、木目調のボディーと光沢のあるメタルパーツが高級感を醸し出している。この製品を最後に見た場所は、ある弁護士の自宅だった。
先に紹介したオーディオテクニカのレコードプレーヤーと同様にフォノプリアンプを内蔵しているので、どんなステレオでも接続するだけで音楽を聴くことができる。

お値段以上の音質
Pro-Ject Audio Systems「Debut Carbon EVO」
価格以上の音を聴かせてくれるレコードプレーヤーは、このリストで最も高価なレコードプレーヤーのひとつでもある。おかしな話だと思うかもしれないが、このまま話を聞いてほしい。
Pro-Ject Audio Systemsの「Debut Carbon EVO」(日本未発売)は、本当に素晴らしい音を出す。ほかのレコードプレーヤーに見られるような派手な機能はなく、高品質なコンポーネントだけでシンプルに構成されている。カーボンファイバーのトーンアーム、熱可塑性エラストマーで振動を抑えた特注の金属製プラッター(ターンテーブル)、そして通常は150ドルで売られている自社製カートリッジまで同梱されているのだ。
欠点を挙げるとすれば 、針がレコードの端に到達したときにプラッターの回転が自動的に止まらないことだ。1時間に数回は立ち上がってレコードプレーヤーのところまで歩いていき、トーンアームをホルダーに戻さなければならない。
また、フォノプリアンプが内蔵されていないので、外付けのプリアンプを購入するか、フォノ(PHONO)端子を備えるステレオに接続する必要がある。

素晴らしい1台
Rega「PLANAR 1 mk2」
Regaの「PLANAR 1 mk2」はシンプルなところは「Debut Carbon EVO」と似ているが、さらに上質なコンポーネントで構成されている。曲を台無しにする振動を抑える特殊なモーターと、重いプラッターを組み合わせることで、回転するレコードを安定させて雑音を発生させない。
価格は高いが、米国では1,000ドル(約12万6,000円)以下のレコードプレーヤーでは最高の部類に入ると広く認められている。適切に扱えば、間違いなく何十年も使えるだろう。ほかの上位モデルと同様にフォノプリアンプは内蔵されていないので、自分で用意する必要がある。

最高にクールなデザイン
U-Turn Audio「Orbit Plus」
透明なアクリル製プラッターと鮮やかな色が好みに合わない人もいるかもしれないが、U-Turn Audioの「Orbit Plus」(日本未発売)は素晴らしい音に洗練されたデザイン、(比較的)手ごろな価格と、レコードプレーヤーのトレンドを体現している。
個人的に気に入っているのは、大きなLP盤と小さなシングル盤を切り替える際に33回転と45回転を切り替える方法だ。プラッターを回転させるベルトを動かして、モーターの上段と下段を物理的に入れ替える必要がある。自転車のチェーンを大きいギアから小さいギアに切り替えるような感じだ。
露出しているベルトがレコードを回すところが見えるのは、最高にクールである。フォノプリアンプは内蔵されていないので、年代物のステレオに接続するか、外付けのプリアンプを購入する必要がある。

曲のスタートやストップが簡単
Pro-Ject Audio Systems「Automat A1」
レコードの世界では、「いったんセットしたらあとは放置」という概念は存在しない。ところがPro-Ject Audio Systemsの新製品である「Automat A1」(日本未発売)は、ほかの多くのレコードプレーヤーよりも曲のスタートやストップが簡単にできる。
再生と停止はデッキ右側にあるスイッチを切り替えるだけ。針がレコードの端まで来たら、トーンアームが自動的にホルダーに戻る。ほとんどのレコードプレーヤーは、針が端に到達する前に回転を止めるか、永遠に回転し続けるかのどちらかだ。夕食をつくりながらレコードをかけていて、裏返す際に1分はかかってしまうような人にとって、Automat A1は優雅な解決策になるだろう。

1,000ドル以下ならベスト
Pro-Ject Audio Systems「Debut PRO」
Pro-Ject Audio Systemsの製品はいくつも試してきたので、この新製品「Debut PRO」(日本未発売)が1,000ドル(約12万6,000円)以下で最高のレコードプレーヤーの部類に入ることは、使わなくてもわかる。アルミニウム削り出しの部品、ハイブリッドカーボンファイバーのトーンアーム、重い金属製プラッター、SUMIKOのカートリッジ「Rainier」など、シンプルなデッキに業界最高の技術が投入されている。

完璧が手に入る
McIntosh「MTI100」
資金が潤沢にあり、アンプやフォノステージ、レコードプレーヤー本体を別々に用意したくない人には、今やレジェンドと言えるオーディオブランドであるMcIntosh(マッキントッシュ)の「MTI100」(日本未発売)をおすすめする。真空管プリアンプとソリッドステートパワーアンプを搭載しているので、デッキにレコードを置きいてスピーカーを接続すれば、すぐに驚異的なハイファイオーディオの世界を体験できる。
マッキントッシュは多くの人に愛されているブランドで、古くから米国で生産されている。そして製品は一生どころか、その先も使い続けることができると証明されている。ちなみに、装飾的な真空管式プリアンプの緑色は、購入時に支払った大量のドル紙幣の色とよく似ている。きっと、この製品にに支払った金額を忘れることはないだろう。

レコードをもっと楽しめる周辺機器
アンプを内蔵しているスピーカーや内蔵していないスピーカー、ステレオレシーバー(いずれも赤と白のRCA端子があるものを探せばいい)を除けば、レコードプレーヤーに必要な主な周辺機器はフォノプリアンプだ(内蔵されていない場合)。フォノプリアンプは、レコードプレーヤーから送られてくる信号をラインレべルまで増幅してくれる(つまり、ステレオがCDプレーヤーやテープデッキ、デジタル機器に期待する信号のレべルのことだ)。フォノ信号は通常、背面にある赤と白のRCA端子からアンプに送られる。
フォノプリアンプには安くていい製品がたくさんある。個人的なお気に入りは、70ドル弱のARTの「DJPRE II」だ。50ドルより安いフォノプリアンプは買わないことにしているが、だからと言って大金を投じる必要はない(数百ドルする製品もたくさんあるが、それらのほとんどは検討不要だ)。
そのほかに必要な基本的なアクセサリーは、メンテナンスやセットアップに関するものだ。レコードブラシ(レコードプレーヤーに付属していることが多い)、針のクリーナー、レコードプレーヤーが適切にセットアップされていることを確認するための水準器は、おそらく欲しくなるだろう。
最後に、購入したLP盤やシングル盤を保管する場所が必要な人は、「Flipbin」を試してみるといい。卓上型のシンプルなケースで、レコードを保護しながら安全にディスプレイできる。
(WIRED US/Translation by Kaori Yonei, Galileo/Edit by Takuya Kikuchi)
※『WIRED』によるレコードの関連記事はこちら。
Related Articles
ソニーやアップルだけじゃない! いま買うべきワイヤレスイヤフォン・ヘッドフォン14選次々と発売されるワイヤレスイヤフォンやヘッドフォン。種類が多すぎてどれを買うか迷ってしまう人のために、音質や利用シーン、ノイズキャンセリング機能などさまざまな指標で選んだ「ベスト」なワイヤレスイヤフォン・ヘッドフォン14モデルを紹介する。
その儀式性と触れる喜びを侮るなかれ。ヴァイナルはかくしてデジタル時代にも生き続けるストリーミングサーヴィスが隆盛を極める一方で、数年前からヴァイナルが再び盛り上がりを見せていることについては、すでにご存知だろう。このデジタル時代に、ある種の儀式性を伴うヴァイナルでの音楽体験の醍醐味を改めて考えてみると、そこにはUIデザインにも通じる学びがあるのだった。https://media.wired.jp/photos/61de2e1c705e9457064ef62e/master/w_1200,h_630,c_limit/sz_og.png
毎週のイベントに無料参加できる!
『WIRED』日本版のメンバーシップ会員 募集中!
次の10年を見通すためのインサイト(洞察)が詰まった選りすぐりのロングリード(長編記事)を、週替わりのテーマに合わせてお届けする会員サービス「WIRED SZ メンバーシップ」。毎週開催のイベントに無料で参加可能な刺激に満ちたサービスは、無料トライアルを実施中!詳細はこちら。
