この記事をまとめると

■オートバイのように見える三輪車(トライク)はノーヘルで乗ることができる

■オートバイに取り付ける「サイドカー」はヘルメットが必要なので注意

■トレッド幅によって「二輪車」か「普通自動車」か区別される

バイクと似てるけど法律上ノーヘルでOK!

 高速道路などで、前から見ると明らかにオートバイなのにノーヘルで乗っているライダーを見かけることがある。とはいえ、よくよく車両を見れば後輪が二輪になっている三輪車で、聞けば「これは普通免許で乗れるんだよ」という話だったりする。

 いわゆる既存の大型バイクを改造したり、それ専用にフレームや車体を製造したりするなどして、後輪を二輪としたモデルを「トライク」と呼んでいる。そしてメカニズムとしては限りなくバイクに近いトライクは、しかし道路交通法では普通自動車として扱われることになっている。

 そのため運転するには普通自動車免許が必要(二輪免許は不要)で、冒頭でライダーと書いたが、正しく表現するならドライバーと書くべきだったかもしれない。そして、トライクは普通自動車であるので、大型二種免許だけを持っているライダーが乗ると無免許運転になってしまう。

 逆に二輪車に側車をつけた、いわゆるサイドカーはタイヤの数としては三輪になるが、自動二輪扱いであり、こちらを運転するにはエンジン排気量に即した二輪免許が必要で、二輪扱いなのでヘルメットの着用は義務付けられる。とはいえ、サイドカーの運転では車体を傾けないため、二輪とはまったく異なるテクニックが必要。じつはサイドカー免許が必要と思えるくらい別物だったりするのだ。

サイドカーはダメだけどトライクはOKの違いは操舵輪だった!

 それはさておき、トライクとサイドカーをわける基準とは何だろうか。まず、フロントの操舵輪が一つだけの車体においては、駆動輪が一輪か二輪かというのが大きな違いとなる。後輪が左右とも駆動輪であることがトライクの基本になると考えていい。

 ただし、操舵を担当するフロントが二輪で、駆動を行なう後輪が一輪というトライクも存在する。そして、フロント二輪のバイク、リア二輪のバイクというのも存在している。また後輪が二輪のバイクも配達業務で使われているものをよく見かけるだろう。

 ここでトライクとバイクをわける基準となるのがトレッド幅だ。正確にいえば『同一線上の車軸における車両の接地中心部を通る直線の距離が460ミリメートル未満であるもの』は、道路運送車両法では特定二輪車となり、基本的に二輪車とまったく同じものとして扱われる。逆にいうとトレッドが基準より広ければ道路交通法では普通自動車扱いになるのだ。

 ちなみに、トライクもサイドカーも道路運送車両法では「側車付二輪車」で、トライクと分類されるには『ハンドルバー方式の舵取り装置』、『運転者席の側方が解放されている』、『跨り式の座席』であることも条件となる。丸いハンドルで、ドアのあるボディの三輪車は、かつて多く存在していた三輪の普通自動車という扱いになる。

 とまぁ、いわゆるトライクがノーヘルで公道を走ることができるのは、道路交通法において普通自動車扱いであるからというのが法的根拠。法律的にはオープンカーに乗っているのと変わらないといえば、理解しやすいだろうか。安全性からいうと納得できないかもしれないが……。

 また、東南アジアから輸入したトゥクトゥクなどと呼ばれる三輪車も、その多くは道路運送車両法的には側車付二輪車となりトライクの一種といえるが、トゥクトゥクにヘルメットを着用して乗っているほうが違和感を覚えるのではないだろうか。

 なお、トライクは普通自動車扱いといっても、高速道路の制限速度だけは異なる。じつは高速道路において三輪自動車は排気量にかかわらず最高速度が80km/hに制限されているのだ。どんなに大排気量のトライクであっても、120km/hで走るわけにはいかないのであった。

 もっとも、ノーヘルで120km/h巡行するのはなかなかに恐怖であろう。また、飛び石などのリスクを考えると、法的にはノーヘルで許されるとしても安全のためにヘルメットを被るというのも悪くない。トライクはヘルメットを被ってはいけないという法律はないからだ。