5Gギガホが通信容量無制限に! 手厚いサポートと高品質な通信を誇るNTTドコモの意外な弱点とは?

●NTTドコモが5Gギガホ プレミア/ギガホ プレミアを発表!
NTTドコモは18日、これまで提供してきた5Gギガホ」および「ギガホ」を見直した新料金プランとして、
・5Gギガホ プレミア(5G/4G両対応プラン)
・ギガホ プレミア(4Gプラン)
これらを発表しました。
2021年4月1日からの提供開始を予定しています。
5Gギガホ プレミアおよびギガホ プレミアは、
・これまでの5Gギガホおよびギガホからそれぞれ1000円料金値下げ
・5Gギガホ プレミアは通信容量無制限
・ギガホ プレミアの通信容量はギガホの30GBから60GBへ倍増
・みんなドコモ割やドコモ光セット割などの各種割引はそのまま継続
・月内の利用データ量が3GB以下の場合自動的に1,500円引き
このように通信容量を大幅増量した上で、料金は大きく値下げする方向で調整されています。

従来の5Gギガホ/ギガホと新料金プランの比較
5Gギガホ プレミアおよびギガホ プレミアの発表は、総務省による通信料金値下げへの要請を受けて行われたものです。
今回の発表に先立ち、12月3日にはオンライン契約専用で20GB/月額2,980円の料金プラン「ahamo」(アハモ)が発表されていましたが、その発表会でギガホの改定についても言及する場面があり、それを受けての発表でした。

料金値下げ競争で大きく切り込んできたドコモ
●プラン選択の決め手は「サポートの有無」
5Gギガホ プレミアおよびギガホ プレミアの最大の特徴は、手厚いサポートサービスの継続です。
ahamoは、20GB/月額2,980円で5分以内の国内通話無料まで付帯する料金面でのインパクトばかりが報じられがちです。
しかし、仮想移動体通信事業者(MVNO)サービスのように各種手続きやサポートが大きく削減されています。
そのためahamoを活用できるユーザーは、契約手続きやスマートフォンの通信設定、SIM(UIM)カードの交換など、すべてを自分で行えるユーザーに限定されます。
また、ahamoではキャリアメールが利用できません。
このため仕事や私用での連絡手段やオンラインサービスのアカウント登録などにキャリアメールを利用していた場合、それらをGmailのようなフリーメールサービスに移行しなければなりません。
ahamoとは、そういった「すべてを自己責任で管理・運用できるユーザー」向けの料金プランなのです。

ahamoはシンプルな低料金がメリットだが、デメリットも多い
5Gギガホ プレミアおよびギガホ プレミアは、
そういったサポートサービスやキャリアメールのデメリットがありません。
これまで通り、全国2000店舗を超えるドコモショップによる手厚いサポートサービスが受けられます。
今後のスマートフォンの料金プランは、手厚いサポートを必要とするかどうかで選択する時代に突入したと言えるでしょう。

料金プランに悩んだら、まずはサポートサービスが必要かどうかでプランを切り分けよう
●ギガライト系には上限設定オプションが追加
一方で「最低限のサポートは欲しいが、5Gギガホ プレミアやギガホ プレミアほどの大容量な通信量は要らない」という人もいるでしょう。
そういった人には、
・5Gギガライト(5G/4G両対応プラン)
・ギガライト(4Gプラン)
これらのプランが引き続き用意されます。
これら2つの料金プランは従来から変わっていませんが、新たに通信容量1GBを上限として設定できる「ギガプラン上限設定オプション」が追加されました。
このオプション設定は無料で、任意で何度でも変更が可能です。
ほとんど通信を利用しない月はオプションを設定して節約し、若干利用が多くなりそうな月は設定を外して使うなど、細かく節約設定を行えるのが特徴です。
各料金プランで想定されるユーザー層は、
・5Gギガホ プレミア/ギガホ プレミア
外出先で動画視聴やデータ通信を頻繁に利用し、各種サポートを必要とする人
・5Gギガライト/ギガライト
スマートフォンで動画視聴をほとんど利用せず、LINEやTwitterなどのSNSを利用する程度の人
・ahamo
月に20GB程度利用できれば十分で、各種サポートやキャリアメールを必要としない人
このように分けられます。

ギガライト系は通話メインの利用者向けだ
●実は大きな「穴」があるNTTドコモの料金体系
非常に分かりやすいNTTドコモの新料金体系ですが、穴がないわけではありません。
例えば、普段から7〜20GBの範囲で利用していてキャリアメールも使いたいユーザーは、
5Gギガホ プレミアやギガホ プレミアを契約する以外に選択肢がありません。
各種割引を適用できなかった場合、20GB未満しか使わないのに料金は6,000円台になる可能性があります。
サポートの有無という違いはありますが、ahamoと比較してかなりの割高感があります。
また、普段5〜7GB程度利用している人でサポートやキャリアメールを必要とする人は、
ギガライトを利用することになります。
こちらも割引を適用できなかった場合に6000円前後になる可能性があり、事実上5Gギガホ プレミアやギガホ プレミアにしたほうが容量的にお得ということになります。
NTTドコモでは、この5GBから20GBの間での利用に最適な、キャリアメールとサポートサービスがある料金プランがないのです。
例えば、20GBで月額4000円前後のキャリアメールが使えるプランなどがあれば、良い選択肢となったことでしょう。

2020年12月現在のギガライトの料金表。各種割引を適用すればそれなりに安くなるが、すべてを適用できる人は少ない
超大容量(使い放題)でサポートも手厚いギガホ プレミア系の料金プランを選ぶのか。
サポートやキャリアメールがあるものの、通信容量は非常に限られるギガライト系を使うのか。
サポートがほとんどなく自己責任である代わりに激安のahamoを使うのか。
NTTドコモユーザーは、来春にさまざまな選択を迫られることになりそうです。
執筆 秋吉 健