被害男性

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 目下、炎上中の「口座事件」でNTTドコモの信頼が大きく揺らいでいる。だが、国内シェア1位を誇る業界のガリバーは、一流企業らしからぬトラブルを“社内”でも抱えていた。

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 今年6月にNTTドコモを退社した30代の男性は憤りを隠さない。

「音楽プロデュースの仕事をしていた私がNTTドコモに中途入社したのは2014年のこと。所属は音楽や映像などを扱うコンシューマビジネス推進部(以下、CB推進部)でした。音楽業界を盛り上げたい一心で仕事に取り組みましたが、結局、度重なるセクハラとパワハラによって退社を余儀なくされたのです」

 トラブルの舞台となったNTTドコモは、「口座事件」で謝罪会見へと追い込まれたばかり。

被害男性

 ドコモ関係者によれば、

「会見に臨んだ幹部の態度を横柄に感じた人も少なくないのではないか。何しろ、登壇した前田義晃・常務執行役員は“パワハラ発言”で有名。部下の報告に納得できず“ふざけんじゃねぇ”と怒声を浴びせることもしばしばでした」

 この前田氏がかつて部長を務めたのがCB推進部だった。先の男性が続ける。

「当時は膨大な資料作りのためにサービス残業を強いられ、会社で朝日を見ることも珍しくありませんでした。そんな長時間労働を指示していたのが40代の女性上司。彼女の横暴ぶりが私を追い詰めていきました」

「シャンパンやろう!」

 ハラスメントの実態を振り返ってもらうと、

「終業時間の10分前に大量の指示を押し付け、ミスがあれば“社会人としてなってない!”と叱責される。しかも、独身の彼女は毎晩のように赤坂や六本木に繰り出していました。私が終電で帰れる時間に仕事を片付けても“おい、いまから飲みに来いよ”と彼女から呼び出される。特に酷かったのは六本木のゲイバーに誘われた時のこと。バーのママと懇意の彼女は席に着くなり“いつものシャンパンやろう!”。ママは同行した他の男性社員を下着姿にするや、股間に向けてボトルの栓を抜いたんです。その社員は激痛でうずくまっていましたよ」

NTTドコモ本社

 そして、次のターゲットはこの男性だった。

「あまりの出来事に固まってしまった私を見て、“あら〜、新人クンね”と言いながらママのおさわりが始まりました。私の顔をベロベロとなめ回し、ズボンのベルトを外すと、下着の中に手を入れて30分近く陰部を触られた。声を上げて抵抗したのに、女性上司は大声で笑いながら飲み続けるだけ。彼女が既婚の男性社員と女性社員に“キスしろ”と指示して、実際にやらせたこともある」(同)

 他方、ハラスメントは女性上司だけに留まらず、他の上司の命令で3日間徹夜して作曲し、さらに135万円かけてミュージックビデオ(MV)まで制作。ドコモのプロモーションにも利用されたのに、「決済名目がない」との理由で経費が落ちなかったことも。結果、血尿や不眠症、適応障害といった症状に見舞われたという。

「会社に訴えると“公傷休暇”が適用されました。セクハラやパワハラによって私が身体を壊したことを会社も認めているのに、当事者である上司たちは処分されていません。17年12月から3年近く交渉中ですが、いまだに治療費を含めて一円たりとも支払われないままです」(同)

 当の女性上司に質すと、

「ないですよ、そんなこと。すみませんが迷惑なんで」

 と言って電話を切るのみ。

 NTTドコモの広報は、被害男性の案件について、

「ハラスメント行為に認定されないものと判断しております」

 口座事件は表沙汰になったが、ハラスメント問題は“密室”で処理したいようだ。

「週刊新潮」2020年9月24日号 掲載