ビートたけし

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 民放キー局が悲鳴を上げている。コロナ禍で、在宅率が上がって視聴率は上昇したものの、肝心の広告を出してくれる企業は減っている。主催イベントも中止・延期となって、収入が激減しているため、ポストコロナを見据え、新たな番組作りが求められるが、そこで取り沙汰されるのが、大物タレントの高額ギャラ問題である。

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 民放キー局の20年3月期第1四半期(4〜6月)連結決算が出揃い、全社が売上を落とした。

 昨年、インターネット広告費がテレビを抜いたと話題になったが、今年はコロナが加わって、さらなる苦戦を強いられることが明らかとなったのだ。放送記者が言う。

「例えば、日本テレビの場合。地上波の広告収入は、タイムCMはレギュラー番組では増収だったものの、スポーツ中継番組が減るなどして、前年同期比でマイナス1・1%の114億7700万円。一方、スポットCMは前年同期比でマイナス37・1%の194億5400万円に。6年連続で視聴率“三冠王”を続ける日テレだから、タイムCMは踏みとどまっていますが、他の局は推して知るべしという状況です。その日テレですら、スポットCMは4割近く落ちたわけですから、これはもう、リーマンショックの比ではありません。各局ともコスト削減に動かざるを得ないでしょう」

ビートたけし

とんねるずは1時間1000万円!

 民放ディレクターが語る。

「先日、うちの局では、報道やドラマ、バラエティなど全プロデューサーに対し、10月期の制作費削減が言い渡されました。これまでだって、制作費削減に努めてきたわけですからね、これ以上となれば、大物タレントのギャラ削減にも手を付けざるを得なくなります」

 例えば、かつて最高額のギャラと言われた、とんねるず(2人で1時間1000万円※推定)は、すでに2人でのレギュラー番組はない。

BIG3の分かれ目

「フジテレビにはタカさん(石橋貴明)単独の深夜番組『石橋、薪を焚べる』がありますが、先日、作詞家の松本隆さんをゲストに呼んだ8月25日の回の視聴率は1・5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同)でした。さすがに昔のようなギャラは出ていないでしょう。大変そうなのが、テレビ朝日の特番『とんねるずのスポーツ王は俺だ!!』ですね。昨年は秋にも放送しましたが、今年は躊躇するかもしれません」(同)

 次に高価いと言われるのが、爆笑問題(2人で1時間450万円※推定〉だ。

「好調な番組が多いものの、『爆報!THEフライデー』(TBS)は、『ザワつく!金曜日』(テレ朝)に負けることが増えています。レギュラーの田原俊彦だって結構なギャラが発生しているでしょうから、存続を考える時期に来ているかもしれません」

 そして、単独では最高額のビートたけし(1時間450万円※推定)。

「再婚してお金にうるさくなったと評判ですが、視聴者からは『何を言っているか分からない』などの声が寄せられています。とはいえ、視聴率がいい『情報7days ニュースキャスター』(TBS)は安住紳一郎アナのフォローもあるので安泰でしょう。問題は『世界まる見え!テレビ特捜部』(日テレ)や『奇跡体験!アンビリバボー』(フジ)といったVTR中心の番組ですね。最近では、たけしさんがいることに意味があるのかと思ってしまうこともありますから。ただ、聞くところによると、日テレさんでは『世界まる見え』で共演の所ジョージさんが『たけしさんを切るなら一緒に辞める』とまで言ったとか。日テレには『所さんの目がテン!』や『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』というレギュラーがありますから、頭が痛いでしょうね」(同)

 同じくBIG3の明石家さんまのギャラは、それほど高くないのだとか。

「さんまさん始め、ダウンタン、ナインティナインらの吉本勢は、ギャラを抑え気味にしています。最近、不祥事が多いから、ではありません。実は、リーマンショックの時にも、高額ギャラタレントの起用に手を付けたことがあったんです。当時、ギネス級の大物司会者のギャラが高すぎるために降ろしたのですが、その時、ギャラは安くてもいいから使ってくれと吉本側が言ってきたのです」(同)

女優にも影響大

 大物司会者と言えば、「とくダネ!」(フジ)の小倉智昭は、来年3月で勇退と報じられているが、

「いまや局への貢献度を考慮する余裕もなくなってきていますからね。小倉さんや安藤優子さんも長年、フジテレビに貢献したとは思いますが、それどころではないと言っていい。テレ朝だって10月から『スーパーJチャンネル』のキャスターを、渡辺宜嗣アナ(現在は嘱託契約)から局アナの小松靖アナに代え、渡辺アナはコメンテーターにするそうですからね、よりお金のかからない方法をとらざるを得ないのです」(同)

 報道まで手を付けるとなると、ドラマも大変だろう。

「ドラマの制作費で、役者のギャラが占める割合は大きいですからね。『半沢直樹』(TBS)クラスの大ヒットになれば、誰も文句を言わないでしょうが、視聴率一ケタなんてことだと目も当てられません」(同)

 現在、女優の最高額は誰だろう。

「やはり米倉涼子でしょう。ただし、彼女は30年近く所属したオスカープロモーションを辞め、個人事務所になったばかり。他の所属タレントとの抱き合わせもできなくなり、『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』(テレ朝)並みのヒットが見込まれない限り、オファーされにくいでしょうね。昨年10月期に『ドクターX』が放送された木曜21時枠は木村文乃の『七人の秘書』に決まってしまいました。同様に、ギャラに強気の事務所も今後は難しくなってくるかもしれません。たとえ、石原さとみや綾瀬はるか、高畑充希クラスであっても、絶対的なヒットの確信がない限り、オファーの数は減っていくかもしれません」(同)

 女優がいなくなっちゃうのでは?

「彼女たちの代わりにのし上がってくるのは、これまで割に合わないギャラで舞台をやってきた劇団系、若手お笑い芸人などになるかもしれません」(同)

 安っぽくならないだろうか。

「ギャラにこだわらない大物もいますからね。例えば高橋英樹さん。所属事務所は漫才のサンドウィッチマンやピン芸人の永野らが所属するグレープカンパニーで、本人も芸人並みのギャラでイイと言うんです。大河ドラマや『桃太郎侍』など出演作は数知れないほどの大物俳優ですが、バラエティにも喜んで出てくださいます。あれこそ、ザ・芸能人だと思いますよ」(同)

週刊新潮WEB取材班

2020年9月6日 掲載