広瀬すず(左)と土屋太鳳/(C)日刊ゲンダイ

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【芸能界クロスロード】

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 渋谷や原宿など若者が集まる街には2メートル間隔でスカウトマンがいた昭和。芸能プロから風俗までさまざまな業種の男たちが言葉巧みに女の子を勧誘。モデルやタレントになった子もいれば、風俗で働くはめになった子もいた。そんな光景も時代の流れとともに様変わり。スカウトマンは激変。逆に、自ら芸能界を志望する子は増えているという。

 世間の流れを読むのが芸能界。受け皿になる芸能プロも独自のオーディションを開催する社が増えている。将来の芸能界を背負う“金の卵”を発掘するようになった。すでにホリプロやオスカーでは歴史あるコンテストを行っているが、新たに開催する芸能プロでオーディションも激戦化している。これも少子化の影響なのか?

 本人では気づかないスターの原石をいち早く探し出すにはオーディションが最適。応募者を取り合う傾向も出てくる。決め手になるのは所属する俳優陣。「憧れのあの人がいる事務所」だと集めやすいこともあり、有名な事務所が多く開催する。なかでも、朝ドラヒロインを務めた女優が所属する事務所が多い。

 土屋太鳳、有村架純、永野芽郁と近年の朝ドラのヒロインを務めたそれぞれの事務所。放送中の「なつぞら」の広瀬すずが所属する事務所も行う。

「今や朝ドラは国民的なドラマ。原則、ヒロインは既成の女優ではなくオーディションで決める。事務所としても絶対に狙う。そのためには新人を発掘、育てることが急務。NHKだけに付き合いやコネは利かない。あくまでも実力。朝ドラオーディションに合格するための傾向と対策というアンチョコ本も出ているそうです」(芸能関係者)

 かつては米倉涼子や松嶋菜々子がモデルから女優になり、AKB48を卒業した大島優子や前田敦子も女優に転身するのが王道だったが、最終的に女優になるのが目標だったら、最初から女優として稽古をさせるほうが早いし朝ドラヒロインの近道。ドラマの流れも女優志望者が増え、事務所のオーディションが活発になる背景に見える。逆に、アイドル志望者は減るとの見方もある。

「彼女たちは世間に認知させて卒業後、女優の道に進む子が多い。そんな遠回りするなら、先に腕を磨いて女優になったほうが近道で実力も付けられると他の事務所が道をつくった」(テレビ関係者)

 昭和には「スター誕生!」「ASAYAN」などオーディション番組が盛んだったが、いずれもアイドル歌手発掘が目的だった。現在は歌手よりも女優の発掘が盛ん。オーディションを開催する側も俳優を主体にしている事務所が多い。そこには事務所の経営戦略も見えてくる。歌番組は減っているが、ドラマは安定して放送されていて女優の需要は多い。さらにCM界でも女優は重宝されている。

「女優は役のイメージもあってCMに直結しやすく、事務所にとってもビジネスチャンスが広がる。結婚・出産しても女優は復帰しやすく、息長く続けられる」(前出の芸能関係者)

 活発化する各事務所のオーディション。次は、どこの事務所からどんなスターが出てくるのか――。そんな見方も今では世間の関心事になっている。

(二田一比古/ジャーナリスト)